小惑星ベスタが衝 2021年3月8日

 4大小惑星の一つベスタが、3月8日に衝となります。
 
 衝とは惑星が太陽と反対側の位置へやってくることです。太陽系の軌道図を見ると、太陽、地球、ベスタが一直線に並んでいます。衝の頃は真夜中に南中する上に地球へ近づいていますから、観測条件が最も良くなります。
 
 ベスタは今、しし座にあります。20時ごろですと真東に見えます。しし座のしっぽに位置する2等星のデネボラから、後ろ足のθ星をたどりましょう。ベスタはこの星の左下にあります。明るさは6.0等ですから肉眼で見るのは難しく、少なくとも双眼鏡が必要になります。
 
 「なんだ、6等級で双眼鏡が必要か。」と思われるかもしれません。しかし、小惑星はその名の通り小さな天体ですから、暗いのは仕方がありません。ベスタは小惑星の中で最も明るくなる天体なのです。

ベスタの位置と公転軌道

ベスタが見える位置

経路の拡大図(10日間隔でプロット)

 ベスタは天体望遠鏡を使っても点像にしか見えませんので、他の恒星と区別がつきません。そんな時は数日後、位置が変わるのを確認しましょう。10日間隔の移動経路を載せておきましたので、観測される際の参考にしてください。

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