ほぼ全国で部分日食 2004年10月14日

約2年ぶりの日食

 10月14日には沖縄と九州南部をのぞいたほぼ全国で、部分日食を見ることができます。前回日本で見られたのは2002年6月11日の部分日食でしたから、2年4ヶ月ぶりの日食ということになります。
 
 下の絵からもわかるように、今回の部分日食は北の地域ほど大きく欠けます。逆に南の地域ほど欠け方は小さくなり、九州南部や沖縄地方では日食を見ることはできません。

各地の最大食時の様子

各地の最大食時の様子

お昼前に最大食

 今回の日食は全国的に11時30分から40分頃に食の最大となります。したがって太陽の高度が高い上に、日食の全経過を見ることができます。下の絵は東京の場合の日食の経過を18分間隔で表示したものです。10時45分に太陽上部やや左寄りから欠け始め、11時41分に食が最大となります。その後は次第に欠け方が小さくなり、12時36分にはもと通りの姿に戻ります。

東京での日食の進行状況

東京での日食の進行状況

各地の観測データ

 下の表へ各地の観測データをのせておきます。観測される際の参考にしてください。

観測地 食の始まり 食の最大 食の終わり
時刻 高度 時刻 高度 食分 時刻 高度
札幌 10:27 37度 11:32 41度 0.380 12:36 36度
仙台 10:38 42 11:38 43 0.300 12:39 40
新潟 10:39 42 11:36 44 0.264 12:33 42
東京 10:45 45 11:41 46 0.239 12:36 43
静岡 10:48 46 11:40 47 0.204 12:32 45
富山 10:43 43 11:35 45 0.212 12:28 44
大阪 10:51 45 11:36 47 0.147 12:21 46
広島 10:57 45 11:32 47 0.086 12:07 47
松江 10:51 44 11:31 46 0.117 12:11 46
福岡 11:07 46 11:30 44 0.033 11:52 48
宮崎 11:17 49 11:34 49 0.020 11:51 50

日食を見る場合の注意点

 太陽の光は非常に強烈です。次の点に注意して日食を楽しんでください。

注意!
・失明の恐れがありますので、絶対に肉眼で直接太陽を見ないようにしましょう。

・どうしても肉眼で見なければならない場合は、白黒フィルムの黒くなった部分を通して見るようにします。
  注)カラーフィルムは赤外線を通すので危険です。

・天体望遠鏡で観測する場合は、口径を4センチ程度にまで絞った上で、投影版などに映し出すようにします。
  注)口径を絞らないと太陽の光を集め過ぎて危険です。
  注)接眼レンズ部は高温になるますので十分注意しましょう。

・投影版が利用できない反射式望遠鏡などの場合は、口径を4センチ程度にまで絞った上で、接眼レンズに太陽観測用のサングラス(専用のフィルター)や太陽観測用専用フィルター(対物側用)を着けて観測します。

  注)サングラスについては、長時間見続けると高熱により破損する恐れがあり非常に危険です。このことから最近ではメーカからもサングラスはほとんど販売されていません。あまりお勧めできる方法でないことを付記しておきます。

・接眼レンズは、熱に強いタイプ(H、MHなど)を使用します。

今後の日食

 今後の日食ですが、北海道では2007年3月19日にごくわずかだけ欠ける部分日食が見られますが、それ以外の地域では2009年7月22日まで待たねばなりません。2009年7月22日の日食はトカラ列島、奄美諸島などで皆既日食となりますので、今回ははその前哨戦といえるかもしれません。今後の日食は天文用語ミニ解説の中にある東京の日食も参考にしてください。

※上の画像は「つるちゃんのプラネタリウム for Windows シェア版」で描いたものです。表示された数値には若干の誤差を含む点をご了承ください。