日食を観測する場所

 日食の観測場所を選ぶ際に最も大切なのは、太陽が見えることです。あたりまえですね。2012年5月に起こる金環日食や部分日食は東の空で見られます。ですから東の方角が開けた場所を探すのがポイントです。

東の方角に見える太陽

 2012年5月に起こる日食は朝方に起こります。観測する場所によって多少異なりますが、金環日食が見られる地域では、7時30分をはさんだ数分間に最大食を迎える地点が多くなっています。この頃に太陽が見える方角は、ほぼ真東といってもよいくらいで、全国的に似通っています。日食の全体を通しても東の方角から大きく外れることなく、真東を中心に東北東から東南東へ高度を上げながら移動していきます。
 日食特設サイトの「日食ナビ」の中にある「金環日食全国ガイド」では、下の絵のような図を市町村単位で用意しています。一度ご覧になって観測場所を検討してみてください。

東京で太陽が見える方向
東京ではほぼ真東で金環日食となる。日食開始頃の高度は20度あまりと高くない。

東の方角が開けた場所を選ぼう

 全国各地で金環日食や大きな部分日食となるだけに、どうしても最大食の頃に目がいってしまいます。しかし、日食自体はもっと少し早い時間から始まっており、6時台にスタートします。このため太陽の高度は低い位置にあります。また、西の地域ほど日の出が遅くなるため、太陽の高度もその分だけ低くなります。ですから、東の方角が開けた場所を選でください。東の方向が建物や木の陰にならないか、前もってよく確認しておきましょう。

迷惑にならない場所

 日食は日中の現象とはいえ、朝方からワイワイ騒がれると周辺にお住まいの方に迷惑となるともあります。また、私有地に勝手に入り込んで観察するのもご法度です。人に迷惑とならない安全な場所を探しましょう。

トイレがある場所

 観測場所を決定するのに以外と重要なのがトイレです。日食は開始から終了まで2時間半も続きますから、近くにトイレがあった方が安心ですよ。

撮影する場合

 肉眼で観察するだけではなく、日食を撮影しようと考えておられる方も多いでしょう。望遠撮影する場合は三脚を使いますから、地面が不安定で三脚がしっかり固定できない場所は適しません。例えば海岸の砂浜などは避けた方が無難です。また、日食の始め頃は高度が低いですから、写角の広いレンズを使って、風景を取り入れた味のある日食写真とすることもできます。その場合は背景に写る風景も考慮して観測場所を決めましょう。

あなたにピッタリな場所は見つかりましたか?


つるちゃんのプラネタリウム 金環日食の解説 2012年5月21日