本影錐

 本影は月から地球に至るまでの長大な円錐形をつくっています。皆既日食の際に地上からこの影が見えるのが本影錐です。

見え方

 地上から皆既日食を観測するとき、太陽が月によって隠されていよいよダイヤモンドリングを迎える時間が近づくと、西の方から月の本影が作る大きな黒い影が太陽方向にすごい勢いで迫ってくるのがわかります。これが本影錐です。

本影錐が太陽にかかった瞬間にダイヤモンドリングが見られ、完全に本影錐の中へ入ると皆既日食になります。

皆既日食の直前と直後に見られる

 皆既日食が始まる直前は、ダイヤモンドリングや淡く見え始めたコロナに注目がいって、本影錐を見逃してしまいがちです。特に午前中に起こる日食の場合は、自分の背後から影がやってきますから、よほど注意していないと確認し忘れてしまいます。太陽だけにとらわれず、周囲を広く見渡すようにしましょう。
 
 本影錐は皆既日食が終わった直後にも東の方へ遠ざかっていくのを確認することができます。もし見忘れた場合は我に返って、ぜひ確認するようにしたいところです。