プロミネンス

 プロミネンスは皆既日食の際に、太陽の縁から炎が立ち上るように見える現象です。プロミネンスは紅炎とも呼ばれています。

プロミネンスとは

 プロミネンスは彩層の一部が磁力線に沿って、コロナの中へ突き出たものです。温度は5千度から1万度くらいで、太陽の表面温度である6千度と比較すると、だいたい同じかやや高い温度です。
 
 水素が発するHα線という赤い光のみを通す特殊なフィルターと、太陽を隠す丸い円盤を組み合わせたプロミネンスアダプターと呼ばれる装置があります。通常はこれを使うことでプロミネンスを観測できるようになります。

大きなプロミネンス

 プロミネンスは地球をひと飲みにするほど大きなものです。上の写真では地球の大きさが右下の青い丸印で示されています。プロミネンスの巨大さがおわかりいただけるでしょう。
 
 また2010年4月22日には、太陽観測衛星STEREOが長さ80万Kmという、巨大なプロミネンスを観測しました。月と地球の距離が38万Kmであることを考えると、とてつもなく大きなものですね。

日食でプロミネンスを観察

 通常ではなかなか観測することができないプロミネンスですが、皆既日食のときだけは、特殊な装置を使わなくても肉眼で観測することができます。
 
 皆既日食中に双眼鏡を使ってみましょう。ピンク色に見える炎のようなものが、黒い月の縁からはみ出して輝いているのがわかるでしょう。真珠色に輝くコロナを背景に、ピンク色をした炎が黒い太陽の輪郭から付き出た様子は非常に印象的です。
 
 観測しやすいのは皆既になった直後や皆既が終了する直前です。皆既終了間際に見る場合は、第3接触後の明るい太陽光を直視する危険があるので、細心の注意が必要です。