天体望遠鏡を使うと、どのような天体が見えますか

 みなさんが一番知りたいのはこの質問かもしれません。初めて天体望遠鏡を買おうとされている方なら、誰もが疑問に思うことではないかと思います。天体望遠鏡はほとんど全ての光学性能は口径の大きさで決まります(倍率ではありません!)。

 それでは、どのくらいの口径でどのような天体を観測することができるのでしょうか。口径別に観測できる天体を挙げてみましたので、参考にしてください。

50mm

月のクレーター、金星の満ち欠け、土星の環の存在、木星の2本の縞模様

60mm

50mmの場合に加えて、明るい大型のメシエ天体

80mm

60mmの場合に加えて、木星の大赤斑、土星の環の隙間と本体の縞模様、ほとんどのメシエ天体

100mm

80mmの場合に加えて、木星の細い縞模様と表面模様、土星本体の縞模様、メシエ天体に加えてNGC天体の一部

 最近は特殊な大型望遠鏡で撮影された素晴らしい天体画像をよく目にしますが、購入される天体望遠鏡を使うと、そのような映像が見られるのではないかと期待してはいけません。むしろ、星雲などでは光のしみにしか見えないことが多いのです。アマチュアが買えるくらいの天体望遠鏡でそんな素晴らしい映像が見られるのなら、巨額を投じて大望遠鏡を設置する必要などありません。それでも、自分の目で何万光年も離れた銀河を確認することができれば、これほど素晴らしいことはないのではないでしょうか。