対物レンズ(たいぶつれんず)

双眼鏡や天体望遠鏡(特に屈折式天体望遠鏡)は2つ以上のレンズを組み合わせることにより天体を拡大して見ることができます。このうち対象物を見る側に取付けて光を集めるために対物側に設置されたレンズは対物レンズ、人が目で見る場所に取付けて像を拡大するためのレンズは接眼レンズと呼ばれています。

天体望遠鏡の場合は接眼レンズを交換することにより倍率を変えられます。

集光力、有効最高倍率、分解能、極限等級など、天体観測する場合に必要となる性能は全て対物レンズの口径によって決定されます。
 (倍率によるのではありません!!)

光は波長(または色)によって屈折率が違います。このためガラスを通過する光はスペクトルのように分散されて、色のにじみ(色収差という)となってしまいます。このため2枚以上のレンズを組み合わせて色消しをするのが普通です。といっても100%色収差を取り除けるわけではありません。

素材や形状の異なった2枚以上のレンズを組み合わせるなどして、色消しの工夫が施されたレンズは、アクロマートレンズ、アポクロマートレンズなどと呼ばれています。

色収差を少なくするために、対物レンズにEDレンズ、SDレンズ、フローライトなどといった特殊なレンズが使われる場合があります。これによって色収差は低減されますが、通常のガラスの場合と比べると高価になってしまいます。

関連用語:色収差 口径比(F) 接眼レンズ アクロマートレンズ アポクロマートレンズ

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