オリオン座流星群が極大 2006年10月21日

オリオン座流星群とは

 流星群といえば夏のペルセウス座流星群や冬のふたご座流星群、ひと頃天文界をわかせたしし座流星群などが有名ですが、それに次ぐ流星群といえばオリオン座流星群でしょう。オリオン座流星群は流星の出現数では先の流星群に比べて劣るものの、ピーク時には1時間あたりで20個前後の出現数が期待できます。オリオン座の方向から流星が飛び出してくるように見えることから、このような名前で呼ばれています。オリオン座流星群は5月頃のみずがめ座η流星群とともに、あの有名なハレー彗星を母彗星としており、ある意味由緒正しい流星群といえるかもしれません。

流星はどこに見える?

 オリオン座流星群はどこに見えるんだ? という質問が飛んできそうですが、流星はほぼ全天で見ることができます。逆に言えばどこに見えるのかを予測することはできません。ただひとつ言えることは、オリオン座流星群の流星は、オリオン座の方向から飛んでくるように見えるということです。正確にいうとオリオン座というよりは、ふたご座の足元付近になります。いずれにしてもできるだけ視界が開けた場所で観測するようにして、どこに流星が流れても建物や高い山などに邪魔されず、確実に流星をとらえるようにしたいところです。

 また流星観測では、双眼鏡や天体望遠鏡を必要とするわけではありませんで、肉眼で十分です。逆に双眼鏡や天体望遠鏡を使うと見える範囲が狭くなってしまうので、特別な目的がない限り必要ありません。

オリオン座流星群の特徴

出現数

 気になる出現数は先にも書きましたように、ピーク時には1時間あたりで20個くらいの出現があります。有名な流星群と比べると見劣りするのは否めませんが、それでも、それらに次いで多く出現する流星群だといえます。この時期は流星群に属さない散在流星も多い時期ですので、意外に多くの流星を楽しむことができます。

観測できる時間帯

 この時期のオリオン座は、東京の場合で21時頃と意外に早い時間に東の空から昇ってきます。そしてオリオン座が西の空へ沈むのは夜明け後のことになります。そういう意味ではオリオン座流星群はほぼ一晩中観測できるのですが、輻射点の高度が30度を超えてくる0時頃からがオススメの時間帯となってきます。その後は夜明け前頃に輻射点は最も高くなりますから、夜半から夜明け前までが観測に最適な時間帯ということができます。

流星の性状

 オリオン座流星群の流星は速いものが多いのが特徴です。また、痕を残す流星も出現します。中には火球クラスの流星が出現することもありますが、最近は母彗星のハレー彗星が地球から遠ざかっているせいか、比較的暗い流星が多いようです。

今年の観測条件

 今年の観測条件は22日が新月ですので、月明かりを全く気にすることなく観測に専念することができ、月の条件は最良です。予想されている極大時刻は21日の15時ですから、20日から21日にかけての晩でしたら明け方にかけて増加傾向となり、21日から22日にかけての晩でしたら宵から夜半にかけて減少傾向の流星群を観測できるでしょう。


 10月ともなれば夜間は冷え込みますから、防寒対策をしっかりして、秋の夜長の流星群を天体観測してみられてはいかがでしょうか。

2006年10月21日 オリオン座流星群の出現イメージ