2014年のしし座流星群 11月18日未明

低調だが条件はまずまず

 しし座流星群といえば日本で華々しい流星雨となった2001年を思い出しますが、あれから13年も経ちました。母彗星であるテンペル・タットル彗星が回帰した1999年から数えると15年も経過するとともに、2014年に遠日点を通過します。

 そんなこともあって、流星のもととなるチリの分布密度が薄くなっており、しし座流星群とはいえ、低調な出現が続くのもやむを得ません。また、ダスト・トレイルに近づく予報もありませんから、出現数は1時間あたりに最大でも10個から15個程度にとどまるでしょう。

 2014年のしし座流星群の極大は、11月18日の7時頃と予想されています。日本では太陽が昇っていますから、極大時刻頃に流星観測することはできません。夜半過ぎから夜明けが近づくにつれ、7時の極大に向けて流星の出現数が増加していくでしょう。

 次に月の条件です。下の星図のように、夜明け前は東天に三日月程度の月があります。多少は月明りの影響を受けるでしょうが、月が細い分、それほど致命的なものではありません。

 星図のように2014年は、輻射点(緑色の十字マーク)の近くに明るい木星があります。輻射点の位置がわからない方には、良い目印となりそうです。

 ところで、しし座流星群は明るい火球が見られることがあります。火球の極大時刻は通常の極大時刻よりも遅れると言われています。こちらの面では2014年は期待度が下がってしまいますが、気にせず火球にも期待しましょう。毎年のように、しし座流星群に属する火球が報告されていますから、チャンスはあるはずです。

ヨーロッパでは大出現の可能性

 2014年11月17日11時(日本時間)ごろ、運が良ければヨーロッパ方面で、しし座流星群の大出現が見られる可能性があると予報されています。これは、1833年に母彗星から放出されたダスト・トレイルへ地球が近づくためです。

 このダスト・トレイルは、1867年に理想的な条件下換算(ZHR)で、1200個ほどの流星を降らせたことがあります。今回はその時よりもダスト・トレイルに近づく可能性があり、期待されているのです。それから2014年の場合は、暗い流星が多くなるのではないとのことです。

 しかしこのダスト・トレイルは、大きな摂動を受けて軌道が変化していることから不確定要素も多く、本当にしし座流星群の大出現となるのかは、当日になってみないとわかりません。

2014年11月18日3時頃の出現イメージ