みなみのさんかく座

みなみのさんかく座

意外と目につく三角形

 南天の星座は形のはっきりしないものや、とらえどころのない星座が多いのですが、そんな中にあって、みなみのさんかく座は比較的わかりやすい星座です。2等星一つと3等星二つで三角形が作られており、形がはっきりわかります。特にα星のアトリアは1.9等という明るい星なのでよく目につきます。実際、1589年にオランダのプランキウスが作った天球儀には、みなみのさんかく座が描かれています。しかしながらこの星座の設定者は後のバイヤーだとされています。

小さな正三角形の星座

 南天にあるみなみのさんかく座は、北天のさんかく座よりも大きくて明るく、よく目につく星座です。また、さんかく座は細長い三角形ですが、みなみのさんかく座は正三角形に近い形をしています。星座の面積で比較すると、さんかく座が132平方度であるのに対し、みなみのさんかく座は110平方度ですから、みなみのさんかく座の方が少し狭くなっています。実際のところ、みなみのさんかく座の面積は、88星座のうちで下から数えて6番目という狭さです。それにしても、特に意味をなさない三角形にちなんだ星座が全天で二つもあるというのは面白い話です。