きょしちょう座

きょしちょう座

小マゼラン雲がある星座

 南半球にある星座の名前は意味がわかりにくいものが多いのですが、きょしちょう座もそのひとつかもしれません。きょしちょうを漢字で書くと、巨嘴鳥となります。つまり、くちばしの大きな鳥の星座です。星座絵では、3等星のα星がくちばしの先となりますが、ここからくちばしの長い鳥の姿を思い浮かべるのは簡単ではありません。

 きょしちょう座には小マゼラン雲があり、小さな雲の切れ端が空に浮かんでいるように見えます。きょしちょう座本体からは少し離れたところにあり、むしろ、お隣のみずへび座にあると言った方がよいかもしれません。

 南半球にはもうひとつ大マゼラン雲という、よく似た天体がありますが、小マゼラン雲は大マゼラン雲よりもこじんまりとしています。距離も22万光年と大マゼラン雲の16万光年よりも少し遠いところにあります。小マゼラン雲の近くにはNGC104と呼ばれる4等級の明るい球状星団があり、存在だけなら肉眼でも確認することができます。