12月1日0時、1月1日22時、2月1日20時
ちょうこくぐ座の見え方 |
ちょうこくぐ座付近の星図 |
ちょうこくぐ座を漢字で書くと彫刻具座となります。といってもこの星座が意味する彫刻具を正確に言い表すことができる人は少ないかもしれません。ちょうこくぐ座の彫刻具とは、彫刻用として使うノミのことです。かつては「彫刻用のみ座」の名前でしたし、日本でも直訳して「のみ座」とされていた時期もありました。
ちょうこくぐ座を設定したのはラカイユですが、ラカイユの星図には彫刻刀とタガネのようなノミが2本交差し、ヒモで結ばれた姿が描かれています。他にも南天にはちょうこくしつ座や、がか座といった芸術にちなんだ星座があり、ラカイユの芸術に対する思いが感じられます。
ちょうこくぐ座はエリダヌス座が作る大きく湾曲した川のほとりにあります。ちょうこくぐ座はオリオン座が南中するよりも少し早い時間帯に南中し、オリオン座からたどるのが見つけやすいでしよう。オリオン座の右肩に位置する2等星からリゲルの方向へ2倍ほど延長した付近がちょうこくぐ座です。一番明るいα星でも4.5等の明るさしかありませんから、星座の形を連想するのは無理といえるでしょう。
ちょうこくぐ座はとても小さな星座で、面積は125平方度しかありません。これは88星座のうちで狭い方から数えて8番目です。
それにしても、ちょうこくしつ座という別の星座があるのですから、その隣にあってもよさそうなものですが、実際にはエリダヌス座をはさんでだいぶ離れたところにあります。この辺も妙な感じがしますが、もともと星座の空白地帯へ無理矢理に新しい星座を配置したのですから、いたしかたがありまん。そんなこともあって、ちょうこくぐ座は冬の星座ですが、ちょうこくしつ座は秋の星座として見ることになります。