星食(せいしょく)

月が星座間を移動する間に恒星や惑星の上を通り過ぎていく場合があります。これを星食と呼んでいます。恒星を月が食する場合は恒星食、惑星を食する場合は惑星食といって区別する場合もあります。また惑星や小惑星が恒星を隠す場合もあります。
 隠される恒星の明るさの変化を精密に観測することにより、天王星の環が発見されたことは有名です。星食は掩蔽(えんぺい)と呼ばれる場合もあります。

月が食する星食は観測地によって見え方が大きく違ってきますので注意しましょう。
 また普段は明るく見える恒星の場合でも、すぐ近くの月明かりのためかなり見えにくくなります。できれば双眼鏡くらいは用意しておきましょう。


恒星食

 月の軌道(天の白道)は一定しておらずふらついているため、毎月同じ恒星が星食になるわけではありません。暗い恒星を隠すのはひんぱんに起こりますが、1等星の星食となるとなかなか起こりません。星食が起こる可能性のある1等星は、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバランの4つです。次回の1等星の星食は2005年3月31日のアンタレス食までありません。

惑星食

 月の軌道(天の白道)と惑星の通り道に近い天の黄道は接近しているため、月が惑星を食する場合があります。あまり頻繁に起こるものではありませんが、惑星食を天体望遠鏡で見ると惑星が少しずつ食されていくのがわかり、非常に興味深いものがあります。また珍しい天体写真の好対象ともなります。


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