明け方に見える位置

 パンスターズ彗星は明け方の東天で、3月下旬から見え始めます。以下に出てくる図は、東京で明け方に見えるパンスターズ彗星の位置変化を表したものです。日の出の時刻に彗星の高度が0度を超えるのは3月19日のことです。これ以降は日増しにドンドンと高度を上げてくることがわかります。3月下旬からは日没後に見るよりも、夜明け前の東天を狙った方が見つけやすいでしょう。なお、3月上旬から中旬にかけては夕方にしか見ることができませんので、夕方に見える位置をご覧ください。

明け方、東の空

 下の図は、日の出時刻に見えるパンスターズ彗星の位置変化を5日間隔で示したものです。日増しに高度が高くなり、それとともに北東の方向へ移っていくことがわかります。日の出時刻に東の空に見えるのは3月下旬の短い期間で、以降は北東の空がメインとなります。

日の出時刻におけるパンスターズ彗星の位置(東方向)

明け方、北東の空

 4月に入ってから、明け方のパンスターズ彗星は北東の方角に見えます。高度も高くて見やすくなるのでオススメです。4月に入ると日の出から1時間30分前でも高度が0度を超えており、暗夜で観測することができます。こうなると、パンスターズ彗星が明るい場合は肉眼で見つけることができますし、少々暗くても、双眼鏡があれぱ十分に観測が可能です。

 パンスターズ彗星の位置は、時間の経過とともに地平線から真上方向へ上がっていくわけではありません。4月頃の場合だと、右上方向へ移動していきますから注意してください。

 基本的に彗星は日々北の方へと動いていきます。5月になると北の空まで移動し、5月中旬頃には明け方としては高度がピークを迎えます。北東方向を中心に描いた下の図を参考にしてください。

日の出から1時間30分前に見える位置



日の出から1時間前



日の出から30分前



日の出時刻の場合

駆け上がる彗星

 3月下旬こそ高度が低くて見づらいですが、夜明け前の北東の空で日増しに急速に高度を上げてきます。日の出となる時刻におけるパンスターズ彗星の高度と明るさは、3月25日なら9.9度(3.7等)、3月30日だと16.6度(4.3等)、4月4日は22.4度(4.9等)といった具合です。そして4月も中旬になると日の出時の高度が30度を超えてきますが、この頃の明るさは6等前後まで暗くなっています。明るいパンスターズ彗星を見たければ高度が低い時期を選ばなければならず、結局観測することができない恐れもあります。ほどよい時期に観測するようにしましょう。

北側へ移動、周極星となるパンスターズ彗星

 明け方のパンスターズ彗星は、日がたつにつれて次第に東北東から北東、そして北北東へ向かい、北へ向けて移動していきます。そして東京くらいの緯度の場合だと、4月16日頃から一日中沈まない周極星となります。そしてこの状態は7月26日頃まで続きます。

 つるちゃんのプラネタリウム パンスターズ彗星