七夕の前に部分月食 2028年7月7日の夜明け前

 7月7日の未明から夜明け前に、全国で部分月食が見られます。今回は最大食分が0.39ということで、月の4割弱が欠けて見えます。日付は七夕の7月7日ですが、日の出前の出来事です。七夕の前夜祭といったところでしょうか。

部分月食

 下の図は地球の影を通る月の経路を示したものです。赤い円は地球の本影で、この中に入ると太陽光が届かなくなります。地球から月を見ると、この部分が欠けたように見えて、いわゆる「月食」となります。図を見ると今回は、本影の中に月の一部だけが入ります。このため皆既月食ではなく、部分月食であることがわかります。

地球の影を通る月の経路

月食図

 NASAが提供する下の月食図を見ると、日本付近はU4のラインが通っています。この線よりも東側(右側)では、部分月食が終了する前に月が沈んでしまいます。逆にこの線よりも西側(左側)では、部分月食の全経過を見ることができます。しかし実際は、日の出が近づいていますので、条件はあまり良くありません。
 
 同様にP4のラインよりも東側(右側)では、半影月食が終わる前に月が沈み、日本のほとんどがこれに該当します。

月食が見られる地域(NASA提供の月食図)

月食の前半

 下のシミュレーション画像は、月食の前半を描いたものです。右下の最大食を基準に、時間をさかのぼりながら11分間隔で月の欠け方を描いています。ですから左上の画像が月食の開始というわけではありません。
 
 7月7日の2時8分に、月の上側やや右寄りから欠け始めます。欠ける方向が右上側に変化しながら、1時間11分ほどかけて最大食を迎えます。食分は0.39ですから、月の視直径の4割ほどが欠けて見えます。最大食の頃はそこそこ月食らしさを味わえるでしょう。

東京で前半の見え方
※右下の最大食を基準に、11分間隔でさかのぼる

月食の後半

 ここから月食の後半になります。同じく下のシミュレーション画像は、左上の最大食を基準に11分間隔で月の欠け方を描いたものです。ですから、右下の画像が月食の終了というわけではありません。
 
 欠ける方向が右側に変化しながら月が復帰していきます。4時31分に月の右側やや下方向から地球の本影が抜けて、月食が終了します。半影食はこの後も続きますが、肉眼ではわかりづらいでしょう。

後半の見え方
※左上の最大食から11分間隔で表示

月食が見える位置

 下の図は東京から月食が見える位置を示したものです。ひとことで書くと、南西の低い位置で見られます。開始時点の高度が最も高いのですが、それでも20度そこそこしかありません。その後はどんどん高度が下がり、最大食は11.5度です。終了となる4時31分は、わずか0.2度しかありません。2時45分から薄明が始まっており、4時32分の日の出を控えていますので、相当見づらいでしょう。

東京で見える位置(背景の星は最大食時)

次回

 次回は2029年1月1日(元旦)に、皆既月食が見られます。「あけおめ」直後の0時7分に月食が始まりますので、きっと話題になることでしょう。