9月後半の火星の見え方
火星最接近を1ヵ月後にひかえ、火星は次第に明るさを増してきています。−1.5等といいますから、まわりの星と比べてもひときわ明るく輝いています。火星は独特の赤色をしている上に、次第に早い時間帯から見えるようになってきますので、だんだんと人目につき始めます。天文施設に問い合わせが増え始めるのも、この頃からではないでしょうか。
期間全般に月明かりがありますが、火星は他の星と違って非常に明るいので、観測にはあまり影響はありません。
9月17日 9月24日 ・視直径(秒) 16.1 17.0 ・明るさ(等) −1.4 −1.5 ・距離(AU) 0.582 0.551 ・火星の出 札幌 20:05 19:40 東京 20:26 20:01 大阪 20:45 20:20 福岡 21:07 20:42
この頃の火星は概ね20時を過ぎないと東の空から昇ってきません。肉眼で見るだけなら火星が地平線に昇ってさえいればいいのですが、天体望遠鏡での観測となると、火星の高度が重要になります。高度が低いと、地球の大気の影響を受けてユラユラと火星の像が安定せず、観測するのが難しくなるからです。
そういう意味では下の絵の21時ではちょっと厳しく、0時か3時の絵を参考に観測ポイントを決めましょう。大まかにいって、期間の前半は模様の少ない側を観測することになりますから、少し面白みに欠けるかもしれません。反面、後半からは少しずつ模様がハッキリと見えて楽しめるようになってきます。
21時の火星のようす(9月16日〜9月30日)
0時の火星のようす(9月16日〜9月30日)
3時の火星のようす(9月16日〜9月30日)