火星が見ごろ 2010年2月

地球へ接近後の火星

 火星は1月28日に地球へ接近しました。これからの火星は日を追うごとに早い時間から観測することができるようになります。下の絵は2月10日20時の場合ですが、火星は真東方向にあって、空の中ほどあたりに見えます。光度は−1等級ですから1等星と比べて2ランクも明るくて、しかも赤く光るので、すぐ目にとまることでしょう。

 今回の接近はいわゆる小接近で、視直径は最大でも14.1秒にしかなりません。世紀の大接近と騒がれた2003年の25.1秒と比べると6割にも満たない大きさです。一般に火星をアマチュアの天体望遠鏡でどうにか観測できるのは、視直径が10秒以上といわれています。今回の接近で視直径が10秒を維持するのは3月22日までですから、2月の間はまだ、火星を天体観測できる好機が続いているといえます。

 21時に時間を固定した場合、2月の前半は火星の表面模様が淡い側が地球を向いています。表面模様をハッキリと確認するためには、濃い模様が地球側を向いている時間帯に観測したほうが良いでしょう。例えば最も濃い模様のひとつとされる大シュルティスは、2月3日をはさんだ前後2日間なら4時頃に火星中央付近へやってきます。21時に観測したい場合は、2月末から3月初旬まで待たなければなりません。

 その他、小型の天体望遠鏡で天体観測できる対象として、極冠があげられます。極冠は火星の極地方に見られるドライアイスのようものですが、これが白く輝いて見えるのです。現在は火星の北半球が地球を向いていますので、白く見えているのは北極冠です。気流が落ち着いた日をねらって、高倍率で観測しましょう。

火星が見える位置 2月10日20時頃 東の空



21時を基準にした火星の模様

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