夜間に見られる火星食 2022年7月21日から22日にかけての夜

 2022年の7月21日から22日へ日付が替わる頃、火星が月に隠される火星食が起こります。
 
 今回は夜間に見られますが、夜間に見られる火星食としては1998年に北日本で見られてから、24年ぶりの現象です。夜間に限定すると、意外に珍しい天文現象なようです。
 
 多くの地域では月の縁から火星が現れる「出現」を見ることができます。北海道など月の出が早い一部の地域では、月に隠され始める「潜入」も観測できます。しかし九州以南では、月の出前に出現となるため観測できません。またそれ以外の地域でも、高度が低くて観測しづらいのが残念なところです。
 
 下の星図は、東京で出現となる0時15分ごろに、月が見える位置を示したものです。月の高度は6.7度で、地平線から昇ってから38分しかたっていません。
 
 出現は月の暗部で起こります。詳しい予報によると、東京で火星が現れ始めるのが0時15分22秒で、22秒かけてジワジワと現れてきます。

日本各地で見た月に対する火星の経路

 近年、東京で見られた火星食は、2019年7月4日 と 2021年12月3日でした。しかし、いずれも昼間の現象でした。東京で夜間に見られて高度が1度以上ある火星食は、1987年2月3日以来となります。同様の条件では今後、2042年3月4日まで見られません。ぜひこの機会にご覧になってください。

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