自動導入装置とはどのようなものですか

 天体望遠鏡を使って天体観測を行う時に一番高いハードルになるのは、天体の位置がわからないことではないでしょうか。仮に天体の位置がわかっていても、ファインダーを使って星をたどりながら自力で導入するのは時間がかかりますし、無理な体勢になりがちですから体力的にも結構疲れます。これらの悩みを一挙に解決してくれるのが自動導入装置です。

 自動導入装置へ見たい天体をセットすると、天体望遠鏡が電動でモーター音とともに自動的に向きを変え、目標の天体が視野に入ってきます。なんとまあ、ありがたい装置ですね。自動導入装置はモーター、センサー、コントローラー部からなりますので、それぞれ簡単に説明しておきましょう。

 まずモーターですが、こちらは経緯台や赤道儀の回転軸へ取り付けます。自動導入では重い望遠鏡を速いスピードで回転させなければなりませんから、通常のモータードライブで使うモーターよりもハイパワーなものが必要です。ですからたいていの場合、メーカで販売される自動導入専用モーターを使います。

 センサーは望遠鏡の向きを変えた際に、どの方向へどのくらい動いたのかを感知するためのもので、こちらも架台の回転軸へ取り付けます。回転軸は2つありますからモーターもセンサーも2個がワンセットで、架台と同一メーカ品を購入します。

 自動導入装置をコントロールするのがコントローラー部です。通常は専用コントローラーを使いますが、パソコンから専用ソフトを使って行うこともあります。コントローラーは入力キーを使って目的の天体名を入力したり、天体の座標位置を入力したりします。中には星図が付属していて目標天体を星図へ表示し、その方向へ望遠鏡を動かすことができるものもあります。

 いずれにしても初心者の方は、架台と専用コントローラーとモーターがセットになった同一メーカのセット品を買われるのが無難です。

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