極軸望遠鏡は必要ですか

 高級機種ならともかく、赤道儀式天体望遠鏡の入門機では、極軸望遠鏡が付属していないケースが多く見受けられます。極軸望遠鏡がないと正確な極軸合わせを行うことができないので、天体を長時間追尾し続けることはできません。それでは初心者の方が眼視で天体観測をするために極軸望遠鏡が必要かというと、必ずしも必要とは言い切れません。簡易的に極軸合わせをすることにより、手動で補正を行いながら短時間ならそれほど苦にならずに天体を追尾することが可能だからです。また、自動導入装置のついた天体望遠鏡なら、極軸合わせを必要としないのが普通ですから、この場合も極軸望遠鏡は必要ありません。

 ただし、天体写真撮影を考えておられる方は、極軸望遠鏡は必要だと思っておくのが賢明です。手動で補正をしながら長時間追尾し続けるのは困難ですし、補正によって隅の方に写った星が小刻みにブレてしまいます。このことは、自動導入装置がついていて極軸合わせを行わずに自動追尾を行った場合も同じことがいえます。

 結局のところ極軸望遠鏡は必要ですかという質問に対し、天体写真撮影を行わないのであればしばらく使ってみて、もし本当に必要であれば買い足すのが一番いいのではないかと思います。ただし、天体写真撮影を考えているのでしたら、購入されることをおすすめします。

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