みずがめ座δ流星群(デルタ流星群)は、7月中旬から8月中旬にかけて活動します。みずがめ座δ流星群は複雑で、南群と北群に分かれています。出現数こそ少ないですが、同じ時期に他の流星群も複数活動していることから、コンスタントに流星観測することができ、夏の夜空に華を添えます。
みずがめ座δ流星群は北群と南群があります。このうち流れ星が多く見られるのは南群です。南群が極大となる頃、同じ時期にみずがめ座δ北流星群や、やぎ座α流星群、みなみのうお座流星群など、他の流星群も活動しています。単体では流星の数が少なくて極大もはっきりしません。しかし全部合わせると、普段よりも多くの流星が出現し、うまくすると1時間あたりに最大で20個から30個くらい見られることもあります。
2023年みずがめ座δ南流星群の観測条件を調べましょう。下の星図は出現が増加する時間帯、2023年7月31日2時ごろのようすです。
極大は31日の3時ごろです。東京で空が明るくなり始めるのは3時8分で、条件的にはまずまずです。といっても極大ははっきりしませんので、細かいことを言っても、あまり意味がないかもしれません。
次に月の条件です。星図にある2時の月齢は12.9です。東京では31日の月の入りが2時14分ですので、月が沈んでから空が明るくなるまでの時間は、わずか54分しかありません。
総合的に考えると、条件良く観測できる時間が短いですから、条件としては良くありません。暗い流星が多いだけに、月がある時間帯は1時間あたりに最大で、他群と合せても10個を超えるのは難しいでしよう。
みずがめ座δ流星群は夜半過ぎから夜明け前が見やすくなります。月が沈んでから空が明るくなるまでの時間帯に観測しましょう。暗くてゆっくり流れる流星をご覧ください。
みずがめ座δ南流星群の出現イメージ |
以降ではみずがめ座δ流星群について解説していますのでお読みください。
みずがめ座δ流星群は、この時期に複数活動している小さな流星群の代表選手です。詳しくみると、みずがめ座δ南流星群と北流星群に分かれ、さらにはみずがめ座ι南流星群とι北流星群や(ιはイオタと読む)、やぎ座α流星群も活動しています。このうち最も活動的なのが、みずがめ座δ南流星群とされますが、流星観測によって細かくどの群に属するかを区別するのは、素人には難しいでしょう。
活動期間は7月15日から8月20日までですが、明瞭ではありません。また極大日も明瞭ではありませんが、7月30日か31日頃とされています。
流星群名 極大日の目安 みずがめ座δ南流星群 7月30日 または 31日 みずがめ座δ北流星群 7月26日 みずがめ座ι南流星群 8月 5日 みずがめ座ι北流星群 8月20日 やぎ座α流星群 7月30日
みずがめ座といえば秋を代表する有名な星座ということもあって、この時期のみずがめ座は深夜に南中します。21時頃でもみずがめ座は東の空から昇ってきていますが、輻射点(放射点)の位置が高いほど流星を多く観測することができます。ですからもっと遅い深夜に見た方が多く流星を観測することができます。もちろん一晩中でも観測することができますから、輻射点の条件という意味では条件が良い流星群ということができます。
流星が地球へ飛び込んでくる速度は、みずがめ座δ南流星群の場合で41Km/秒で、中くらいからやや遅い速度となっています。このため流星の流れる速度も中くらいからやや遅いスピードで流れます。一方、みずがめ座ι流星群の方は北群も南群も30Km/秒台前半と遅くなっています。
みずがめ座は南中した頃でも高度がそれほど高くありませんから、上空を眺めていると、下から上方向へ流星が流れます。もちろん地平線近くを見た場合は、上から下方向へ流れます。
流星の出現数は決して多くありません。最も多く流れるδ南群の場合でも1時間当たりに最大で10個程度ですし、その他の群は1個から3個程度しかなく、非常に少ないものです。「流星群」の名前にひかれて期待を持って観測にのぞむと、残念な結果になってしまいます。過度に期待しない方がよいでしょう。