ペルセウス座流星群が極大　２００８年８月１３日未明に注目

条件はまずまず良し

　今年も夏の風物詩ペルセウス座流星群がやってきます。お盆前ということもあって学生さんならば夏休み期間中ですし、会社勤めの方ならお盆休みという方もおられるかもしれません。明るい流星が多く出現する流星群である上に季節も良いとあって、近年では天文ファンだけでなく一般の方にも注目されており、「お盆に流星の天体観測を」なんていう方も増えてきています。

　今年の観測条件ですが、極大日の月齢が１２なので大きな月明かりがあって最悪！？　かと思いきや、東京の場合だと０時５６分に月は沈んでしまいます。西の地域ではもう少し月没時刻は遅くなりますが、それでも夜半過ぎ以降は月明かりに邪魔されずに夜明け前まで観測することができます。今年の極大時刻は１２日の２１時頃で、この頃は輻射点（または放射点）の高度が低いため、それほど多くの出現は望めません。しかし、月が沈む頃には輻射点の高度も高くなってきて、流星の出現数もグッと増えてくることでしょう。ポイントは、「月が沈んでから夜明けまで」ということになります。

北東の空のようす

※一度にこれほど多くの流星が見られるわけではありません。

ペルセウス座流星群の特徴

　一番の特徴は何と言ってもその出現数でしょう。１時間あたりに最大で６０個以上もの流星が観測できる流星群は、他には冬のふたご座流星群ぐらいしかありません。その上明るいものが多いので観測がしやすく、煙をはきながら流れるものや、煙が痕として残るものもあります。稀に末端で爆発するものまであったりして華やかで、見ごたえ十分です。一度見るととても印象に残りますから、「また来年も」なんていう人もおられ、リピーターが多いというのもうなづけます。
　それから、この流星群は地球に対して速い速度で飛び込んできます。したがって流星も速い速度で流れますので、見逃さないように注意して観測してくださいね。

流星をたくさん見るために

　流星観測をするためには、双眼鏡や天体望遠鏡といった特別な機材が必要なわけではありません。必要なのは暗い夜空と開けた視界です。

　ネオンや街灯などの照明があると夜空が明るく照らされて、暗い流星はこれらの光に負けてしまって観測することができません。その反対に、山の奥などへ行くと人工の光が少ないために夜空は暗くなり、暗い星がたくさん見えます。このような場所では暗くて小さな流星をとらえることができますから、流星をたくさん観測することができるのです。本当にビックリするぐらいの差が出ますよ。

　また、流星は全天に流れますから、視界をさえぎるものがあるとそこに流れた流星は見ることができません。当然のことながら、観測できる流星の数が減ってしまいます。どうしても視界をさえぎる障害物がある場合は、頭の真上からペルセウス座が見える北東方向が開けた場所を選びましょう。流星の動きが比較的遅くなり、暗い流星まで観測しやすいからです。

　もう一度繰り返しになりますが、たくさんの流星を観測したいと思ったら、できるだけ暗い夜空と開けた視界を求め、あなたとっておきの観測場所へ移動しましょう。でも、立ち入り禁止場所や危険な場所へは入らないでくださいね。

どうやって見るの？

　流星の見え方ですが、肉眼で夜空を見ていると、急にピュッと流れます。いつどこに流れるのかは全く予測がつなくて、全天にまんべんなく流れます。ですから、頭の真上方向を向いて全天を見渡すのが一番手っ取り早いといえます。しかし、立ったまま空を見上げていると首が疲れてしまいますね。ですから、長時間観測しようと思ったら、楽な姿勢で見ることが大切になってきます。さて、どんな姿勢がよいのでしょうか？　そう。寝転んで見れば全て解決。でも、うっかり寝込んでしまわないようにしてくださいね。あっ、それから蚊の対策もお忘れなく！

２００８年の観測データ

　各地における２００８年８月１３日のペルセウス座流星群用の観測データを下の表にまとめましたので参考にしてください。地域によって多少異なりますが、東京の場合ですと月は ０：５６ に沈み、それ以降は月明かりのない暗夜となります。それから天文薄明が始まる ３：２４ まで、２時間半ほど流星の天体観測を満喫することができます。天文薄明が始まる頃には輻射点の高度は６０度に達しており、たくさんの流星を観測することができるでしょう。夜空が次第に明るくなってくるのが名残惜しいですね。