リニアー彗星が双眼鏡で見える 2001年12月

一気に南下するリニアー彗星

 去年11月に発見されたリニアー彗星(C/2000 WM1)が明るくなってきます。11月には9等級ですが、その後は地球に接近するにつれて明るくなり、12月上旬頃には夕方の南東の空で6等級まで明るくなりそうです。

 上の絵からもわかりますように、彗星は11月から年末にかけて一気に南下していきます。11月末には月明かりがあるので、12月上旬の月が昇ってくるまでの時間帯が観望の好機となります。

リニアー彗星の経路

12月上旬の南東の空に注目

 下の絵は12月3日の彗星の位置とその前後の彗星の位置変化を示しています。彗星の高度はどんどんと下がっていき条件は悪くなります。反対に月の昇ってくる時間は日にちが経つほど遅くなり観測に有利となります。12月3日の明石の場合、空が完全に暗くなる18時18分から月が昇ってくる19時頃までが観測のチャンスです。

観測するには

 一般に彗星は淡く拡散した天体です。ですから少しでも街明かりの少ない郊外へ出かけて見るようにしましょう。また今回のリニアー彗星の場合は光度が6等級と淡いので双眼鏡か天体望遠鏡を用意しましょう。
 
 付近は明るい星が少ない領域なので目印がなく探しにくいかもしれません。秋の星座、くじら座の尾っぽにある2等星のデネブカイトスをまず探しましょう。他に目立った星はないのですぐに見つかります。これを目印にして左上方向を双眼鏡で探してみましょう。雲の切れ端のようにボーッと広がった彗星の姿を捉えることができるはずです。付近には明るい星雲や星団はありませんので見間違えることはないかと思います。

 まるで実際に見たかのようにエラそうに書いていますが、彗星の光度や見え方はその時になってみないとわからない、というのが本当です。さあ、実際はどんなふうに見えるのかな。
 
※つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの万能プラネタリウムや惑星の経路で彗星の動きや観測条件を確認してみましょう。

12月上旬頃のリニアー彗星