2002年11月に発見されたニート彗星(C/2002 V1)は、2003年1月の下旬から2月の上旬にかけて、かなり明るくなって、夕空の良い観測対象となりそうです。このニート彗星は、2004年に明るくなるニート彗星(C/2001 Q4)とは別物なので注意してください。
詳しくは、工藤・藤川彗星と合わせて、2003年 年初から彗星三昧?の特集記事も参照してください。
ニート彗星(C/2002 V1)から見た地球(1月18日) |
ニート彗星は夕方の西の空に見えます。1月の中旬くらいまでの間は彗星が暗いので、観測には天体望遠鏡が必要となります。彗星は秋の星座のペガスス座付近を移動していきます。
1月15日のニート彗星(C/2002 V1) 日の入り1時間後 |
1月22日のニート彗星(C/2002 V1) 日の入り1時間後 |
その後、この彗星は急速に太陽に近づくとともに、急激に明るくなりますが、観測条件の方も、悪くなってしまいます。彗星の高度のことや月明かりのことを考えると、1月下旬から2月の上旬頃が一番見やすくなると思われます。うまくすれば、肉眼でもハッキリとわかるかもしれません。短いながらも尾も観測できるでしょう。
2月1日のニート彗星(C/2002 V1) 日の入り1時間後 |
ただ、太陽にかなり接近するので、明るくなる前に蒸発してしまう可能性もあるとか。なんとか蒸発しないでがんばってほしいものですね。
2月8日のニート彗星(C/2002 V1) 日の入り1時間後 |
日の入り時刻での彗星の位置を、下に掲げておきますので参考にしてください。実際には日の入り後1時間以上は経過しないと、空が明るくて観測できませんので注意してください。
また、彗星の位置と光度を参考に表にしておきましたので、こちらも参考にしてください。いずれも略算なので、多少の誤差が含まれます。また、11月30日現在の軌道要素を使用しています。光度の方は???
日付 | 赤経 | 赤緯 | 光度 (しょぼい場合) |
光度 (かなり期待) |
日の入時 の高度 |
---|---|---|---|---|---|
1月 5日 | 0時40分 | +12度00分 | 12.1等 | 6.7等 | +65.7度 |
1月10日 | 0時18分 | +11度06分 | 11.8等 | 5.6等 | +66.4度 |
1月15日 | 23時58分 | +10度15分 | 11.4等 | 4.4等 | +63.4度 |
1月20日 | 23時40分 | + 9度24分 | 11.0等 | 2.9等 | +56.9度 |
1月23日 | 23時30分 | + 8度53分 | 10.7等 | 1.9等 | +52.5度 |
1月26日 | 23時19分 | + 8度19分 | 10.3等 | 0.8等 | +47.7度 |
1月29日 | 23時09分 | + 7度42分 | 9.9等 | 0等以上? | +42.7度 |
2月 1日 | 22時58分 | + 6度57分 | 9.4等 | 0等以上? | +37.3度 |
2月 4日 | 22時47分 | + 5度01分 | 8.7等 | 0等以上? | +31.6度 |
2月 7日 | 22時34分 | + 4度46分 | 7.9等 | 0等以上? | +25.4度 |
2月10日 | 22時20分 | + 2度58分 | 6.9等 | 0等以上? | +18.5度 |
2月13日 | 22時03分 | + 0度05分 | 5.3等 | 0等以上? | +10.4度 |
2月16日 | 21時45分 | − 5度37分 | 2.6等 | 0等以上? | + 0.5度 |