5月27日夕方  ニート彗星とリニア彗星の競演 + 火星と土星の接近 + 月と木星の接近

2004.2.11 新規

 夕方の西空で先駆けて見えていたのはニート彗星でしたが、今度はリニア彗星が西空で見やすくなってきます。

5月27日 東京での日の入り1時間後 ニート彗星とリニア彗星の見え方
5月27日 東京での日の入り1時間後 ニート彗星とリニア彗星の見え方

リニア彗星の見え方

 5月下旬になると、夕方の南西の空でリニア彗星が次第に高度を上げてきました。リニア彗星の明るさは3.5等ですから、決して明るいとはいえません。しかし、2月現在のリニア彗星は予報の光度よりもやや明るめに推移しており、今後に期待が持てそうです(最近では予報よりも少し暗い目なようですが、どうなりますか・・・)。上の絵は東京における日の入り1時間後の西天の様子ですが、リニア彗星の高度は10度少ししかありません。しかも薄明かりの残った状態ですので、肉眼で見つけるのは少し難しいものと思います。

 ほぼ真西に見えるこいぬ座のプロキオンを目印として、左側やや斜め下方向を双眼鏡で探すと、尾の生えたリニア彗星をはっきりと確認できるでしょう。時間が経つと彗星の高度はどんどんと低くなりますので、少し早い目の時間から探し始めるようにしてください。

 彗星はその後日が経つにつれて次第に高度を上げていきますが、逆に明るさの方はだんだんと暗くなっていき、尾の長さも短くなっていってしまいます。


ニート彗星の見え方

 一方のニート彗星ですが、5月上旬に西空に姿を見せ始めた後、急速に高度を上げてきていて、5月下旬頃にはずいぶんと高い位置にまで上ってきています。彗星の明るさは3.8等ですから決して明るいとはいえず、かなり条件が整わないと肉眼で彗星を見るのは難しいと思います。それでも彗星の高度が高い分、リニア彗星よりは見やすいかもしれません。

 双眼鏡なら、ひところに比べるとだいぶ短くなった尾も十分に確認することができるでしょう。ニート彗星の方は高度が高い位置にある分、もう少し空が暗くなってからじっくりと見るのが得策です。ただ、近くには半月がいて明るい光に彗星の淡い光がかき消されてしまわないか心配なところです。

 ふたつの彗星を肉眼で見るのはちょっと難しいかもわかりませんが、空の条件が整えばふたつの彗星を肉眼で同時に見ることができるかもしれません。こんな機会は本当に滅多に起こることではありませんので、ぜひともチャレンジしていただきたいと思います。


火星と土星の接近

 ふたつの彗星を見終えたところで、今度は惑星に注目してみましょう。西の空では火星土星が接近して縦方向に並んでいます。両者が最も近づくのは5月25日ですが、この日27日でもまだだいぶ接近した状態で、角度にして2度も離れていません。火星の明るさは1.9等、土星の明るさは0.4等となっており、土星の方がだいぶ明るくて見やすくなっています。火星と土星の上方には、ふたご座のカストルポルックスが横方向に並んでいて、ふたつのペアを見比べて見るのも楽しいと思います。


月と木星の接近

 この日はもうひとつ接近しているペアがあります。月と木星です。月齢は8.3ですから半月よりもほんの少しだけ丸い形です。その月の左側にはマイナス2.1等の木星が見えます。両者の距離は東京の場合で約3.6度ですから大接近とはいきませんが、それでも両者が並んで見える様は興味深いことでしょう。


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男1:火星と土星があんなに接近してるよ。僕らも接近しちゃおうか。
女1:(ピッタリ・・・。)
つる:−−>なんじゃ、こいつら。

男2:ほら、月のそばに木星が並んで見えるよ。
女2:あなたが月なら、わたしは木星かな。
つる:−−>おおっ、こっちもか。お前らなー、チクショー。

男3:低い位置に見えるのがリニア彗星、高い位置に見えるのがニート彗星。
女3:ふたつも彗星が見えるなんて、すごーいっ。今日は忘れられない日になりそう。
男3:そして、ふたりにとっても忘れられない日にしようか。ふたりの始まりの日という意味で。
つる:−−>わけのわからんことをほざくな。アカン、今日はペアだらけや。。。
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つるちゃんのプラネタリウム ニート彗星、リニア彗星 完全解説