ニート彗星とは

2004.1.17 新規

 今、天文界では2つの彗星が注目されています。今年2004年5月頃に明るくなる彗星で、ニート彗星、リニア彗星と呼ばれています。ここでは、このうちニート彗星について簡単に紹介します。

ニート彗星の軌道

ニート彗星の発見

 ニート彗星は、ニート(NEAT)と呼ばれる組織が、アメリカのカリフォルニア州パロマー山にある1.2mの望遠鏡を使って、2001年8月24日に発見した彗星です。NEATは Near Earth Asteroid Tracking を略したもので、NASAのジェット推進研究所が地球に接近する小惑星などを捜索しているプロジェクトのことです。NEATは他にも彗星を発見していて、今回明るくなるニート彗星は、NEATが発見した12個目の彗星になります。

ニート彗星の符号

 このように、ニート彗星はひとつだけではなく、たくさんあることがわかりました。一般に彗星は、発見された際に符号が付けられるのですが、この符号によって彗星を呼び分けることがあります。これによると、ニート彗星は C/2001 Q4 NEAT となります。しかし、「ニート彗星、リニア彗星 完全解説」のページ内では、単純にニート彗星と呼ぶことにしています。

ニート彗星の特徴

 惑星などの重力を考慮したニート彗星の軌道は、太陽から最も遠ざかった地点(遠日点といいます)までの距離が54000AU(1AU=太陽と地球の距離に相当)にもなります。これは0.86光年という途方もなく遠い距離で、彗星のふるさとオールトの雲付近になります。ですから、ニート彗星はオールトの雲からやってきて太陽へ近づく彗星ではないかといわれています。

 また、上の軌道図からわかるように、地球に近づく付近でのニート彗星の軌道は縦方向に立っています。したがって、彗星は下から上へと移動し、地球から見た彗星は南から北へと大きく移動して見えることになります。

ニート彗星とリニア彗星が地球と接近する様子をアニメーション画像で見てみましょう。


つるちゃんのプラネタリウム ニート彗星、リニア彗星 完全解説