分裂した彗星

 シュワスマン・ワハマン第3彗星は公転周期が5.36年の周期彗星です。ドイツで最初に発見されたのは1930年のことですが、しばらくの間行方不明になっていました。そして、約50年後の1979年に再発見されました。

 前々回の接近となった1995年9月には、彗星の核が分裂するという事態が起こりました。彗星は4つの核に分裂して、A核、B核、C核、D核と名づけられましたが(後にE核も発見)、このうちC核が本体です。本体は分裂前から6等以上も増光して皆を驚かせました。

 前回2001年の接近の際には、5つの核のうち3つの核が生き残っていることが確認されました。今回の回帰でも生き残った3つの核が観測できるでしょう。しかも今回は前回の接近とは比べ物にならないほど彗星が地球へ大接近しますので、明るく見えるのではないかと期待されています。