ボアッティーニ彗星とは

2008.4.27 新規

発見

 昨年11月20日にレモン天文台(アメリカ・アリゾナ州)研究員のボアッティーニさん(A. Boattini (Mt. Lemmon Survey))によって発見されたのがボアッティーニ彗星(Boattini C/2007 W1)です。発見当時は18.1等と非常に暗かったのですが、ここへきて明るさが急激に増しています。予報ではピーク時に4等台半ばから4等台前半くらいの明るさになりそうですが、うまくすると3等台まで明るくなる可能性も残っています。

接近

 彗星は6月12日に地球へ0.21天文単位まで近づき、明るさや尾の長さはこの頃にピークとなります。その後は6月24日に太陽へ0.85天文単位まで近づいて近日点通過となります。

天体観測条件

 日本からボアッティーニ彗星の天体観測を行う場合、6月をはさんで大きくふたつに分かれます。まず5月末までの前半ですが、こちらは5月下旬に6等前後になる頃まで夕方南西の空で観測することができます。後半の7月上旬以降は夜明け前の東天に移り、当初は5等台で観測できますが、その後は急速に暗くなっていきます。しかし残念ながら、地球に接近する6月は北半球から観測するのは難しいでしょう。

 ボアッティーニ彗星の場合、彗星をななめ横から眺める格好になりますので、尾が見られることが期待できます。ただ、ボアッティーニ彗星はオールトの雲からやってきて今回初めて太陽へ近づく彗星です。通常の彗星ですと太陽へ近づくと急激に活動が活発になって明るくなるのですが、ボアッティーニ彗星のように、まだ一度も太陽に接近していない彗星は、太陽へ接近するにつれて増光のペースが鈍ってくると指摘する専門家もいます。

果たしてボアッティーニ彗星が今後どのような姿を見せてくれるか、期待したいところですね!

 ボアッティーニ彗星を観測しよう