ボアッティーニ彗星の軌道

2008.4.24 新規

 下の絵は「つるちゃんの3D太陽系」を使って描いたボアッティーニ彗星の軌道です。彗星は絵の上側から下側へと移動していきます。軌道の色が青色の暗い部分は地球軌道面よりも南側に位置しますから、6月頃の彗星は天の赤道よりも南側に見えることになります。したがって、彗星は日を追うごとに南下しながら太陽へ近づき、条件が悪くなって観測ができなくなってしまいます。

 ボアッティーニ彗星と地球が最接近するのは6月12日で、0.21天文単位まで近づくのですが、残念ながらこの頃は観測することができません。その後彗星は、6月24日に太陽へ0.85天文単位まで近づいて、近日点通過となります。

 彗星の離心率は1.0001730と、1を超える双曲線軌道です。ですからボアッティーニ彗星は、今後二度と地球へ近づくことはありません。そして、この彗星はオールトの雲の中からやってきたのではないかと言われています。この場合、彗星は初めて太陽へ近づくことになりますが、このような彗星は太陽へ近づいても予想よりもおとなしい活動で終わってしまい、彗星が明るくならないことも考えられます。2004年のリニア彗星がその例にズッポリとはまってしまった苦い経験があるだけに、そうならないことを期待したいですね。

ボアッティーニ彗星の軌道
ボアッティーニ彗星の軌道


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