高度を上げるボアッティーニ彗星−7月13日3時

2008.6.14 新規


 今週のボアッティーニ彗星は先週よりもだいぶ高度が上がって見やすくなります。3時の時点で10度あまりしかなかった高度も今週は20度を超えています。低空での10度の差は見え方が大きく違います。高度が上がるほど地球の大気による減光が少なくなりますし、雲やかすみがかかる頻度も少なくなりますから、天体観測することを考えると高度は高い方がいいに決まっています。

 月齢9の月は0時過ぎに沈みますから、今週も先週と同じく月明かりの影響を全く受けず、彗星観測に集中することができます。ただ、ボアッティーニ彗星の明るさは5.9等で、先週の5.3等と比べて少し暗くなっています。しかし、双眼鏡があれば簡単にその存在を確認することができるはずの明るさです。

 下の絵は7月13日3時のようすです。この日東京で薄明が始まるのは2時50分ですから、下の絵では既に薄明が始まっています。といっても10分ほどしかたっていませんから、ほとんど真っ暗だと思ってさしつかえありません。ただ、この後はドンドンと空が明るくなってきますから、少し余裕を持って早い目の時間帯から観測を開始するようにしてください。

 今週も先週に引き続き、くじら座のα星(2.6等)を見つけましょう。くじら座のα星は、低い位置に見えるおうし座のアルデバランと、上側に見えるおひつじ座のハマルからだいたいの見当をつけて探しましょう。くじら座のα星から左の方を探すと小さな雲のようなモヤモヤとした彗星が見つかるはずです。付近に明るい星雲状の天体はありませんから、他の天体と見間違えることはないと思います。

 ※詳しいボアッティーニ彗星の位置は、ボアッティーニ彗星の経路図−7月を参照してください。

ボアッティーニ彗星の位置
次第に高度を上げてきたボアッティーニ彗星


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