ルーリン彗星(鹿林彗星)、3月10日に見える位置
先週3月3日に5等台後半の明るさだったルーリン彗星は、早くも6等台後半まで光度が落ちてきました。しかもこの日は月齢13.4の大きな月がありますから、彗星観測には適しません。
彗星はかに座とふたご座の中間付近にいますが、この付近はあまり明るい星がありません。探すときにはふたご座のカストルとポルックスを目印にしましょう。カストルからポルックスの方向へ延長することで、およその位置の見当をつけるとよいでしょう。あわせてこいぬ座のプロキオンとの位置関係も参考にします。
先週と比べて地球との位置関係が多少良くなりますから、尾の長さがちょっぴり長くなるはずなのですが、地球との距離が0.68AUと少し遠くなってきていることや、なんといっても強烈な月明かりがありますから、尾の観測は難しいでしょう。それどころか、双眼鏡では彗星の存在自体を確認するのが難しいかもしれません。
今後は地球との距離がどんどん遠ざかっていきますから、それとともに彗星が移動する速度も落ちてきて、動きも少しずつ鈍ってきます。
3月10日20時頃の位置
※描かれた細い線は前後5日間に移動する彗星の経路です。
3月10日20時の観測データ