ハートレー第2彗星が近日点を通過 2010年10月28日

太陽へ最も近づく日

 2010年の秋の見ものは、何といってもハートレー第2彗星でしょう。この彗星は軌道が確定している周期彗星ですが、周期彗星が今回ほど条件良く見られるのは数多くありません。公転周期が6.47年であるこの彗星が太陽へ最も接近するのは10月28日です。彗星は太陽へ近づくほど活動が活発になって明るくなります。近日点距離は1.059天文単位と決して小さくありませんが、地球の公転軌道半径である1に近い数値です。このため近日点通過の頃に地球へ近づくと、地球と大接近します。今回はまさにドンピシャリなタイミングで、近日点通過となるこの日、地球と彗星は0.13天文単位という近い位置にいます。そんなこともあって今回は、ハートレー第2彗星の天体観測を長期間にわたって楽しむことができまです。

ハートレー第2彗星の軌道

月との接近

 下の星図をご覧いただくと一目瞭然ですが、ハートレー第2彗星は10月28日に月と接近します。月が近くにあると見つけやすくていいんじゃないかと思われるかもしれません。しかし実際はその逆で、条件的には最悪です。それというのも彗星は4等級の明るさしかありません。それでなくても見つけにくい彗星の近くに明るい月があると、淡い彗星はほとんど見えなくなってしまいます。
 
 といっても、彗星は10月28日にしか見えないわけではありません。少し日付を前後にずらして、月明かりのない日や時間帯を選ぶのがよいでしょう。

ハートレー第2彗星と月