ハートレー第2彗星の詳細経路

経路全般

 下の星図は星座を背景にしたハートレー第2彗星の経路図です。彗星は右から左へ動いていきます。ほぼ天の川に沿った経路をたどることがわかるでしょう。数字は日付を意味し、彗星の動きが小さい一部の期間を除いて5日間隔で表示しています。短い線は尾の長さが0.01AUであると仮定した場合に尾が見える位置です。

経路全般

9月

 9月のハートレー第2彗星は地球からの距離が少し離れているため、動きは緩やかです。9月上旬はとかげ座にいますが、その後すぐにアンドロメダ座に入ります。そして下旬になるとカシオペア座に入って星がにぎやかな所を移動していきます。

9月の経路 3日間隔

10月上旬

 10月上旬のハートレー第2彗星は、カオペア座からペルセウス座へ移動します。ちょうとこの頃、赤緯が最も高くなることから、最も北寄りの位置に見え、日本など北半球から観測する場合に有利です。10月1日から2日にかけてカシオペア座2等星のα星へ近づきます。また、10月5日から6日にかけてはδ星から少し離れたところを通過します。見ものは10月8日から9日に起こるペルセウス座にある有名な二重星団との接近です。双眼鏡での観測や写真撮影の良い被写体になることでしょう。

10月上旬の経路 2日間隔

10月中旬

 10月中旬になると地球との距離が近づくこともあって、ハートレー第2彗星は見かけ上の移動速度が早まります。ペルセウス座に入ると10月12日頃にγ星、10月13日から14日にかけてα星、10月14日から15日にかけてはδ星から遠くない所を通り過ぎます。その後はぎょしゃ座に入り、地球と彗星の距離が最も小さくなって最接近を迎えます。10月19日には3等星のぎょしゃ座ε星に大きく近づいて見ごたえがあるでしょう。10月19日から20日にかけては、ハートレー第2彗星がカペラの近くを通り過ぎ、カペラが良い目印になってくれます。

10月中旬の経路 2日間隔

10月下旬

 この時期の前半、ハートレー第2彗星はぎょしゃ座に見えます。0等星のカペラが良い目印となる上に、地球との距離が最接近となることもあって、彗星も明るくて探しやすいでしょう。10月22日から24日にかけて、ぎょしゃ座にある三つの散開星団M36、M37、M38に相次いで近づき、こちらも大きな見ものとなります。その後ふたご座へ入ると、27日から28日かけて3等星のμ星、30日から31日はγ星のそばを通り過ぎます。

10月下旬の経路 2日間隔

11月上旬

 11月に入るとハートレー第2彗星の動きは次第に緩やかになります。ふたご座からいっかくじゅう座に移動した後はこいぬ座をかすめ、再びいっかくじゅう座に戻ります。11月1日にふたご座の3等星ξ星へ近づいた後は、明るい星や天体との接近はありません。

11月上旬の経路 2日間隔

11月中旬以降

 その後のハートレー第2彗星の動きはますます緩やかになります。いっかくじゅう座からとも座、おおいぬ座といった冬の星座でも南に位置する星座へと進んでいきます。日本からの観測条件は悪化するように思いますが、太陽へ急速に近づくといったこともなく、まだまだ好条件下での観測が可能です。

11月中旬以降の経路 3日間隔

  

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