マックノート彗星が本格的な観望期へ 2010年6月中旬

いよいよ観望期

 下の星図は、東京で6月15日2時30分に見える星座を背景とし、マックノート彗星が移動する経路を重ねたものです。2時30分というと夜明けまでだいぶ時間があるような気がしますが、実は東京ではこの数分後から東の空が白み始めてきます。ですから、淡い天体を観測するのにはギリギリの時間だと思ってください。 ※あくまでも6月15日の場合ですが、多少日にちがずれても大差はありません。また、東京よりも西に位置する地域では、西に位置する分だけ空が白み始める時刻は遅くなります。

 6月15日の場合だと明るさは6.2等。6等を超えて肉眼彗星となるのは時間の問題で、いよいよ本格的な観望期に突入します。といっても都会の夜空から肉眼で見つけるのはまず無理ですから、双眼鏡を準備しておきましょう。彗星が明るく推移している場合では、この日の明るさは4.3等です。空が暗い地域なら肉眼でも見つけることができるでしょうし、明るい街中からでも双眼鏡を使えば楽勝です。

 下の星図で緑色の曲線で描いた矢印をご覧ください。アンドロメダ座を構成する3個の2等星、α星−β星−γ星が作るカーブをそのまま延長すると、1.8等星のペルセウス座α星(アルファ星)ミルファクが見つかります。α星へ双眼鏡を向けてそのまま真下へ視野を移動させると、今度は3.0等星のδ星(デルタ星)が見つかります。この星のすぐ右側にモヤモヤした小さくて淡い雲のような天体が見つかれば、それがマックノート彗星です。この日はδ星の近くにいるので探しやすくてオススメです。もしかすると上方向へ伸びる彗星の尾が確認できるかもしれませんから、こちらも注意しながら天体観測してください。

 下の星図を見るとわかりますが、近日点通過となる7月初旬に近づくほど高度が下がって条件が悪くなります。しかしその反面、太陽に近づくと明るさの方は明るくなっていきます。これからのマックノート彗星は明るくなるかわりに、低空という悪条件との戦いになりそうです。
 

6月15日 ペルセウス座に見えるマックノート彗星



ペルセウス座δ星の右隣に並んで見える



詳細な星図(2010年6月中旬)

  マックノート彗星が2等台に?