2011年12月のギャラッド彗星
彗星の位置
11月の間はほとんど動きを見せなかったギャラッド彗星(またはガラッド彗星)ですが、12月に入ると星座に対して少しずつ動きをみせ始めます。9月、10月あたりと比べて違う点は、動く方向が北向きに変わることです。といっても相変わらずヘルクレス座の中にあって、動きはまだ緩やかです。1日で大きく位置が変わってしまうようなことはありません。
ギャラッド彗星の明るさは、11月現在もほぼ予報どおりに推移しています。このままいけば12月初旬で6.3等、下旬で6.0等となり、6等台前半で推移すると言っておけば間違いないでしょう。空が暗い場所でしたら、小型の双眼鏡でも楽に確認できる明るさです。
ギャラッド彗星の移動経路
※日付が9月1日と表示されていますが経路表示には関係ありません。
彗星の見つけ方
ギャラッド彗星のあるヘルクレス座は、12月に入ると、夕方西空のかなり低い位置にやってきます。このため彗星の観測が次第に難しくなります。12月の中旬以降は夕方よりも、明け方に見たほうが条件が良くなってきます。12月前半の夕方に見られる場合は、半月かそれ以上の太った月がありますから、少なからず月明かりの影響を受けてしまいます。後半の夜明け前に見られる場合は、月明かりの影響が少なくなる21日以降が良いでしょう。
ギャラッド彗星を見つける方法は、基本的には先月と同じです。へびつかい座の2等星、ラスアルハゲを目印にしましょう。この星から右方向からやや上側に双眼鏡の視野をずらしていくとすぐに見つかります。しかしこの方法も12月前半まで。後半に入ると目印となるラスアルハゲの高度が下がって見づらくなってしまいます。そんな時は、こと座のベガを目印にしましょう。ベガから左下方向へヘルクレス座ο星をたどり、続けて下方向へξ星、μ星、λ星をたどります。そこからさらにδ星を含めた位置関係から彗星の位置を探ります。上に掲げた星図も参考にしながら探してみてください。
双眼鏡で見た彗星は小さな雲の切れ端のようにボンヤリとしています。恒星のように点像には見えませんので注意してください。形は円形からややつぶれた楕円形をしていますから、見え方に慣れてくれば、すぐにそれとわかるようになります。
12月5日18時の位置
12月15日18時の位置
12月25日5時の位置
12月の月齢カレンダー