2012年2月のギャラッド彗星

彗星の位置

 2012年2月のギャラッド彗星は、3月上旬の地球最接近を目指して動きが大きくなってきます。5日も間隔を空けると位置がだいぶ変わってしまいますから注意しましょう。2月上旬は相変わらずヘルクレス座ですが、それでもヘルクレス座の北端まで移動してきます。中旬になると星座の境界線を越えてヘルクレス座からりゅう座へ入ります。動く向きは北から北東、さらに東よりへ変わってきます。

明るさ

 ギャラッド彗星の動きは速まってきますが、明るさの方は相変わらず大きく変わることはありません。彗星の明るさは予報よりも少し暗い目で推移しているようで、2月は全般的に6等台前半と思われます。空が暗い場所でしたら、小型の双眼鏡でも楽に確認できる明るさです。

ギャラッド彗星の移動経路
2月のギャラッド彗星の移動経路

周極星となるギャラッド彗星

 2月のギャラッド彗星は、基本的に夜明け前の北東の空で見ることができます。しかし下旬になると、夜半前頃から北東の空で観測できるようになってきます。それというのも彗星が北へ移動することから、2月下旬に周極星となるのです(観測地の緯度によって多少異なります)。つまり一日中沈まない星として一晩中観測できるようになります。といっても実際に観測するためには高度がそれなりに必要ですから、周極星という言葉をそのまま鵜呑みにすることはできません。

見つけ方

 夜明け前に見る場合は条件的に申し分ありません。高度が高い分、夜明け前の早い時間からゆっくりと天体観測することができます。月明かりの影響を避けるには、2月上旬の前半か、下旬に見るのが良いでしょう。

 彗星の移動が大きくなりますが、時期を選ばず見つけ方に大差はありません。というのも彗星の移動経路上には目印となるような明るい星があまりないからです。以前から見てこられた方は、ヘルクレス座のπ星(3.1等)かη星(3.5等)を目印にするのもよいですが、それも2月上旬まで。以降はりゅう座の頭に位置するγ星(2.2等)とβ星(2.8等)を見つけてください。目印にする星と彗星の位置関係を頭に描いて、エイッと双眼鏡を振り向けます。その後はゆっくりと丁寧に付近を探し、ぼんやりした小さな光の塊が視野に飛び込めば、それがギャラッド彗星です。

 一方、2月の下旬になると夜半前の遅い時間に北東の空で彗星を観測できるようになります。下の星図では2月25日22時の例を示しておきました。この場合は先に使ったりゅう座の星は高度が低くて目印にすることができません。そこで、こぐま座の星を使います。こぐま座といえば北極星がある星座ですね。北を向いて北極星を見つけたら、右方向へ視線を動かします。すると、似たような明るさをした2等星が見つかります。これがこぐま座β星(2.1等)です。この星の右下側に3.0等のγ星が見つかればしめたもの。β星からγ星の方向へ3倍ほど距離を延長すると、彗星が見つかります。

2月5日4時の位置
2012年2月5日のギャラッド彗星


2月15日4時の位置
2012年2月15日のギャラッド彗星


2月25日4時の位置
2012年2月25日4時のギャラッド彗星


2月25日22時の位置
2012年2月25日22時のギャラッド彗星


2月の月齢カレンダー
2012年2月の月齢カレンダー


つるちゃんのプラネタリウム 双眼鏡でギャラッド彗星を見つけよう