明け方にアイソン彗星が見える位置

 アイソン彗星を観測する時間帯は明け方が本命です。見える位置は、前半は東南東から南東の方角で、後半は東南東から東北東の方角です。アイソン彗星が明るくなる11月下旬から12月上旬にかけては、東南東の低い位置をさがしましょう。

 11月下旬から12月上旬はそこそこ明るいですし、12月はアイソン彗星の尾を観察するのに良い位置へ地球がやってきます。このため尾が伸びて、双眼鏡を使うと彗星らしい姿を楽しめそうです。2014年1月に入ると観測のメインは夕方にシフトしますが、それまでの間は夜明け前の空に注目しましょう。アイソン彗星の見つけ方のページもご覧ください。

日の出時刻、東の空に見えるアイソン彗星の位置(主に2013年11月から12月)

日の出時刻、北東の空に見えるアイソン彗星の位置(主に2013年12月下旬から2014年1月)

※北東を中心としたこの画像は、「つるプラ フリー版/シェア版」ともに、最新版(Ver 3.6.0)をご利用ください。

近日点通過前に見える位置

 11月にアイソン彗星が見える方角は、東南東から南東の空で、あまり大きくずれることはありません。まず、11月上旬頃は日の出時刻のアイソン彗星の高度が50度近くもあり、非常に良い条件です。まだ7等級から8等級の明るさしかありませんから、観測するためには最低でも双眼鏡が必要になります。

 その後は11月29日の近日点通過に向け、真っ逆さまに太陽めがけて落ちていくように、一気に高度が下がってきます。これとともに彗星の明るさが増していきますが、観測するための条件としては悪くなります。

 例えば11月15日、日の出時刻(東京)におけるアイソン彗星の高度は33度もあり、明るさは6.3等です。双眼鏡や天体望遠鏡を使えば条件良く天体観測を行えそうです。5日後の11月20日だと、明るさは5.1等と明るくなって肉眼彗星となりますが、高度が23度まで下がります。さらに5日後の11月25日では3.3等まで明るくなります。しかし、高度は11度と低くなるため薄明中に観測する必要があり、観測条件が急速に悪化します。

2013年11月20日5時頃、アイソン彗星が見える位置

近日点通過後に見える位置

 近日点通過後は、逆にアイソン彗星の高度が一気に上がってきます。そして尾も伸びて最高の条件で観察することができます。基本的にアイソン彗星は東南東から東の方角に見えます。

 近日点通過から2日後となる12月1日の場合、明るさは1.9等と明るいですが、日の出時刻における高度は5度ほどしかありません。日の出直前に地平線近くを丹念に探しても見つけられるか微妙なところです。

 3日後の12月4日には日の出時刻における高度が12度と、10度を超えてきます。明るさは3.7等と明るめですから、双眼鏡を使えば薄明の中でどうにか観測できそうです。12月8日には高度が20度を突破してきますが、光度は4.7等とだいぶ暗くなってしまいます。

 アイソン彗星は12月中旬に入ると北へ向かう移動量が大きくなってきます。それとともに尾が伸びてきますし、12月12日には日の出時刻の高度も30度を超えてきて文句ありません。しかしながら明るさは5.2等ということで、肉眼だと条件が整わないと苦しいでしょう。

 12月24日クリスマスの頃には北よりに位置を変え、東北東の空で日の出時刻における高度が55度に達します。明るさは6.0等まで落ちていますが、それでも双眼鏡を使えばまだまだ彗星らしい雰囲気を楽しめそうです。年末から年初にかけては6等級から7等級で、北東から北北東の空に移動します。

2013年12月6日5時40分頃、アイソン彗星が見える位置

 

 つるちゃんのプラネタリウム アイソン彗星