パンスターズ彗星とは
パンスターズ彗星(C/2011L4 PanSTARRS)は、2011年6月6日に19.4等の明るさで発見された新彗星です。パンスターズ彗星はPan-STARRSという全天サーベイシステムによって発見されました。新しい彗星が発見されると発見者の名前がつけられることから、この彗星はパンスターズ彗星とよばれています。
パンスターズ望遠鏡 |
提供:PS1SC |
パンスターズとは、ハワイにあるパンスターズ (Pan-STARRS, Panoramic Survey Telescope And Rapid Response System) という4台の望遠鏡を用いた全天サーベイのことで、地球に衝突する可能性のある天体を発見することを目的としています。時間をあけて撮影した二つの画像を比較することにより、微小天体の動きをとらえ、新天体を発見するのです。他にも自動サーベイシステムはいくつかありますが、パンスターズの場合は極限等級が24等ということで、極めて暗い天体を捉えることができます。写真の画素数は14億ピクセルといいますから驚きです。
パンスターズ彗星は2013年3月10日に太陽へ最も接近し、この頃には2等級まで明るくなります。といってもこの頃は、北半球から観測することはできません。日本では3月中旬から姿を見せ始め、2等から3等くらいの明るさで観測できそうです。これは空が十分に暗い場所からですと、肉眼でも十分に観測することができるほどの明るさです。このように、パンスターズ彗星は明るくなる可能性が高く、北半球では久しぶりに明るい肉眼彗星を観測できるのではないかと期待されています。