2013年3月から4月にかけてパンスターズ彗星(C/2011 L4 PanSTARRS)が観測できます。パスターズ彗星が最も明るくなる3月10日頃には2等級に達します。しかしこの頃は、残念ながら太陽に近くて観測しづらいでしょう。しかし、大きめの双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、日の入り直後の夕空で観測できる可能性は十分あります。北半球に登場したからのパンスターズ彗星は集光が強く、条件が整えばしっかりと見えます。3月下旬からは夕方だけでなく明け方にも登場し、一気に高度を上げてくるでしょう。この頃には3等級から4等級の明るさで、肉眼彗星として楽しめそうです。
パンスターズ彗星は2011年に発見された新しい彗星です。2013年の3月10日に近日点を通過し、地球から最も明るく見えます。この頃には1等台後半まで明るくなり、日本からも尾を生やした彗星らしい姿を観測できるのではないかと期待されています。ここでは発見されたいきさつや、軌道の特徴や動き方など、パンスターズ彗星の概要を説明しています。
パンスターズ彗星とは
全天サーベイPanSTARRSによって2011年に発見された新彗星。3月10日に太陽の近く(近日点)を通り、最も明るくなる。2013年天文ショーの一つで、日本では3月から4月にかけて楽しめそう。
軌道の特徴
太陽系の果てにあるオールトの雲からやってきたと考えられる。双曲線軌道のため、太陽近くには二度と戻ってこない。パンスターズ彗星の軌道要素と軌道図も紹介。
太陽を中心にした動き
太陽を中心に据えた場合の動きをグラフ化して説明。太陽との相対位置関係を見ることで、パンスターズ彗星の観測条件をうかがい知ることができる。
ここではパンスターズ彗星がいつ、どの方角に、どのくらいの明るさで見えるのかを、星図やグラフを使いながら説明します。3月は夕方の観測が基本ですが、3月下旬になると明け方にも見えるようになります。4月に入ると夜明け前の高度が高くなることから、暗夜で観測できる明け方が良いでしょう。観測ガイドは必読。あなたも、ぜひ見つけてくださいね。
パンスターズ彗星の観測ガイド
どの位置、どの方角に見える? 4月上旬のアンドロメダ大銀河との接近をはじめ、イベントをとらえて星図を使い、日別の見つけ方を紹介。
夕方に見える位置
近日点通過頃は夕方がベスト。西から北西の方向に見えるが低い高度で移動。観測条件はあまり良くない。
明け方に見える位置
夜明け前に東から北東の空に見える。一気に高度が上昇するのが特徴。明るさは暗くなるが、暗夜で見られるので見つけやすい。
パンスターズ彗星の明るさ
2等級まで明るくなるのはほぼ確実と考えられる。久しぶりの肉眼彗星で高まる期待!
移動経路
星座を背景としてパンスターズ彗星がどのように移動するかを解説。みなみのうお座から北上開始。近日点通過後は一気に北上してケフェウス座に達する。位置確認用としても星図をお使いください。
黄砂による影響
黄砂やPM2.5は天体観測の大敵です。写真のような空の日は見づらくなります。
パンスターズ彗星のベランダ観望期
つるちゃんが自宅ベランダで観望した記録。3月11日にようやく、尾を生やしたパンスターズ彗星が見えました。
肉眼による眼視観測だけでなく、双眼鏡や天体写真撮影について説明します。天体観測の幅がグッと広がり、もっと楽しい天文ライフを送ることができるでしょう。
双眼鏡を使って彗星観測に挑戦
双眼鏡を使えば迫力も倍増。もし彗星が暗くて肉眼で見えない時でも観測できます。普段の天体観測や旅行用としても双眼鏡は大活躍。
写真撮影しよう
写真撮影するのに適したカメラとは? 普段の撮影と違って、こんな点に注意しよう。
天文ソフト「つるちゃんのプラネタリウム」を使えば、パンスターズ彗星の位置や光度を簡単に調べることができて便利です。フリーソフトですから、あなたもぜひ使ってみてください。
天文ソフトを使ってパンスターズ彗星を調べよう
フリーの天文ソフト「つるプラ」を使ってパンスターズ彗星を表示させる例を紹介。便利で使いやすい「つるプラ」が、あなたの彗星観測を強力にサポート!
データ設定
新しくなった「つるプラ」と「3D太陽系」のデータ設定方法。最新の光度パラメータ設定も行ってください。
アニメーション
太陽系とパンスターズ彗星をアニメーションで紹介。地球との位置関係などをイメージしやすくておすすめ。
パンスターズ彗星は、2013年の11月から12月に明るくなるアイソン彗星とならんで、2013年の目玉天文ショーとなりそうです。また、パンスターズ彗星が明るくなるのと同じ頃、南半球ではレモン彗星が観測好機となります。