日の入り後に見つけよう

　地球最接近となる頃、レナード彗星は日の入り後に姿を見せるようになります。夕方に見えると早起きしなくてすむのはありがたいのですが、残念ながらレナード彗星の高度があまり上がりません。薄明と低空の悪条件と闘いながら、少しでも良い条件で観測してください。以降では星図などを使って見つけ方を解説します。

日の入り後に見つけよう

　夕方の西空で、条件が悪いながら見え始めるのは、12月11日か12日頃です。レナード彗星が最も明るいのはこの時期で4.2等の予報ですが、高度が低過ぎて条件が良くありません。その後はわずかずつ高度を上げながら、南西の方へ移動します。
　
　下に12月12日、14日、16日、18日、24日の星図を載せました。星図の中に、1日または1週間間隔の位置をプロットしています。また、イオンの尾も表示しました。最初は地平線に対して尾は右上に伸びますが、12月15日は上方向になります。その後は向きが変わって、左上へ伸びることがわかります。
　
　12月前半は日没後に空が完全に暗くなりきる前に沈んでしまいます。最低でも双眼鏡が必要と思われた方が良いでしょう。残念ながら周囲は目印になる星が少ないですから、およその見当をつけて、当てずっぽうで双眼鏡を振り向けるしかありません。

12月12日　17時　4.2等

12月14日　17時20分　4.2等

12月16日　17時20分　4.4等

12月18日　17時20分　4.6等 ※金星と接近！

12月24日　17時40分　5.3等

金星と接近

　17日から18日にかけて、レナード彗星が金星へ近づきます。金星は-4等級と非常に明るいですから、とても良い目印になります。彗星を見つけるのに、絶好の機会といってよいでしょう。
　17日の17時20分なら金星の右下へ6.1度、18日の同時刻なら左下へ4.8度離れたところにレナード彗星があります。上の星図を参考にして、まだ少し薄明が残る夕空で、ぜひ見つけてください。

日の入り後に見える位置

　下の経路図は、日の入りから45分後、1時間後、1時間30分後、それぞれにおけるレナード彗星の見える位置が、どのように変化するかを描いたものです。日の入り後に見えるレナード彗星は、地平線を這うように移動します。
　
　日の入りから時間がたつほど薄明が弱くなって空が暗くなります。日が沈んでからせめて45分くらいたたないと、ぼんやりと拡散した彗星を見つけるのはとても難しいでしょう。日没から1時間30分たつと、ほぼ暗夜になります。この時間帯に彗星が沈んでいないのは、東京では12月16日から年明けにかけてです。

日の入りから45分後の位置変化（2日間隔）

日の入りから1時間後

日の入りから1時間30分後

観測データ

　東京、札幌、大阪、福岡、那覇の観測データを載せておきます。東京の場合、12月16日以降は薄明終了後にレナード彗星が沈みます。つまり、暗夜で観測できる時間帯があるのですが、彗星の高度が低くてあまり条件が良くありません。彗星が南へ移動するにつれ、特に期間の後半は、南に位置する那覇の方が多少観測しやすくて有利になります。

［東京］

［札幌］

［大阪］

［福岡］

［那覇］