北の地域で夕方に小さな月食 2025年3月14日

 2025年3月14日の夕方、北の地域で小さな部分月食が見られます。
 
 NASAが提供する月食図をご覧ください。日本の本州の上を U4 のラインが通っています。これは月食の終わりが月の出となるラインで、北関東から東北地方を南北に通っています。このラインよりも左側のエリアでは月が昇っていませんので、月食を見ることはできません。逆に右側のラインでは、地球本影による月食が見られるはずです。しかし、日の入り前後の現象ですから、実際に観測するのは苦戦するかもしれません。

月食が見られる地域(NASA提供の月食図)

 日食と違って月食の時刻は世界各地で共通で、始まりは14時9分です。日本では太陽が高く昇っていますし、月は地平線下で見ることができません。一方、終わりは17時48分です。日本では月が昇るかどうかといったタイミングです。下の表のように、北の地域ではギリギリ月が昇ったところで、かろうじて部分月食の最後を見ることができます。

観測地 月食の終わり 月の出の時刻 見える? 参考:日の入り時刻
静岡 17:48 17:55 × 17:53
東京 17:49 × 17:47
宇都宮 17:48 17:47
水戸 17:46 17:45
新潟 17:51 × 17:50
福島 17:45 17:44
仙台 17:44 17:43
山形 17:46 17:45
秋田 17:46 17:45
札幌 17:40 17:40
根室 17:23 17:23

 札幌では食分0.116で、月が欠けたまま昇ってくる月出帯食となります。右上が少し欠けているのがわかるでしょうか。この後、食分がどんどん小さくなり、およそ8分後に月食が終了します。

札幌で月の欠け方(月の出時点)

札幌で見える位置

 この月食の最大食は15時59分です。食分は1.217 と 1を超えており、皆既月食です。下の図を見ると、赤色の円で示した地球の本影に、月がスッポリ入り込むことがわかります。アメリカ大陸では皆既月食を迎えて赤銅色をした月が見られるでしょう。

地球の影を通る月の経路

 次に日本で条件良く見られるのは、2025年9月8日の皆既月食となります。