全国で皆既月食 2025年9月8日

 2025年9月8日の未明、全国で皆既月食が見られます。日本全国で見られるのは、2022年11月8日以来、3年ぶりです。9月といえば中秋の名月かと思いきや、今年は10月6日。残念ながら47年ぶりとなる中秋の名月の皆既月食とはなりませんでした。

 それでは、NASAが提供する月食図をご覧ください。日本列島付近では U4 と P4 という2本の線が通っています。
 
 U4は月食の終わりが月の入りとなるラインです。北海道東端にかかっており、これよりも右側のエリアでは月が欠けたまま沈み、月入帯食となります。日本全国ほとんどが U4 の左側にありますから、本影食(いわゆる月食)を最初から最後まで見ることができます。
 
 また、P4が西日本を通っています。これよりも右側では半影食中に月が沈みます。しかし、半影食は肉眼でほとんどわかりませんので、気にする必要はありません。

月食が見られる地域(NASA提供の月食図)

 下の図は地球の影を通る月の経路を示したものです。赤い円は地球の本影です。この内に入ると太陽光が届かなくなり、月が欠けたように見えます。いわゆる月食ですね。今回は月が本影の中へ完全に入り込む時間帯がありますから、皆既月食であることがわかります。
 
 また黄色いエリアは、地球の半影です。半影は太陽光が一部届いていますので、肉眼で見ても欠けていることにほとんど気づきません。

地球の影を通る月の経路

 東京では9月8日の1時27分に、月の真上よりもやや左側から欠け始めます。それから1時間ほどたった2時30分に皆既月食が始まります。皆既は1時間23分間継続し、3時53分に終了します。ここから月の復帰が始まり、4時57分に月食が終了します。

東京での見え方(開始時刻から10分間隔)

見え方(終了時刻まで10分間隔)

 下の図は、東京で見える位置を示したものです。概ね南西から西の方角に見え、次第に高度が下がってきます。東京で終了時の高度は5度しかありません。低い位置に見えますから、南西から西の方角が地平線付近まで見渡せるような、見通しの良い場所から観測してください。

東京で見える位置(星座は最大食時のようす)

 次に皆既月食が見られるのは、半年後の2026年3月3日です。