中秋の名月と月食

 中秋の名月といえばお月見。美しい月を眺めるだけでも気分上々ですが、もしも同時に月食も見れたとしたら、どんなに素晴らしいでしょう! いってみれば、月の最高のショーを二つも同時に楽しむことができるのです。そんな夢のような出来事が1978年9月17日に起こりました。しかも皆既月食だったのですが、最大食となる時刻は早朝の4時頃ということで、ちょっとつらかったかもしれません。

皆既月食となった中秋の名月

 中秋の名月といえば満月というイメージがありますが、実際には満月の1日前や2日前であることも多くなっています。このことは、中秋の名月のページで解説しているとおりです。そんなこともあって、中秋の名月の日に月食が起こるのはかなり珍しいことです。

 このような出来事は、1978年よりも以前では1968年10月6日に起こりました。逆に以降では、1997年9月16日が中秋の名月で、17日早朝に皆既月食が起こりましたが、しかし日付が変わってしまっています。同日日付となると、それ以降はなかなか起こらないようで、2109年9月9日まで待たなければなりません。ただし、この時は皆既が終わってから月の出となってしまいます。

 また、2126年10月1日にも中秋の名月での月食が見られますが、こちらは80%ほど欠ける部分月食です。その翌年2127年9月20日から21日にかけて起こる月食は皆既月食で、皆既が21日0時39分に終わります。21日が中秋の名月ですから、かろうじて「中秋の名月の皆既月食」に該当しそうです。

※このページでは中秋の名月と月食の日付が同じということにこだわりました。