夏の夕方、さそり座がちょうど南中する頃、さそり座の上方を見上げると、縦に細長い大きな5角形が目にとまります。これはへびつかい座です。そして、ラス・アルハゲは5角形の一番上側頂点の2等星になります。ラス・アルハゲはへびつかい座のα星です。
星名 | 学名 | 星座 | バイヤー符号 | フラムスティード番号 | 赤経 | 赤緯 | 実視等級 | 絶対等級 | 距離 | スペクトル型 |
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ラス・アルハゲ | Ras Alhague | へびつかい座 | α星 | 55番 | 17h34m56s | +12゜33’36” | 2.07等 | 1.21等 | 48.6光年 | A5 |
ラス・アルハゲはアラビア語で「蛇を持つ者の頭」という意味のラース・アル・ハウワーに由来します。その名のとおり星座絵で見たラス・アルハゲは、医の神アスクレピオスの頭の部分に位置しています。
へびつかい座というだけあって、星座絵では大きな蛇を両手でつかんだアスクレピオスの絵が描かれています。昔のギリシャでは、蛇は健康のシンボルとされていました。ですから医の神アスクレピオスが蛇を持っていても少しも不思議ではありません。
ラス・アルハゲの隣にはヘルクレス座のα星である3等星ラス・アルゲティがありますが、こちらはヘルクレスの頭の部分になります。星座絵を見ると、ちょうど二人が顔を付き合わせたような格好をしています。
ラス・アルハゲの距離は48.6光年という、地球から比較的近い位置にあります。太陽の2.5倍くらいの大きさがあるといわれ、太陽の29倍の光を放っている明るい星です。