火星大接近観測ガイド(その3)

8月の火星

 8月27日の大接近をひかえて、8月の火星観測ムードは最高潮に達しそうです。火星の明るさは月初でもマイナス2.3等星と非常に明るく、最接近となる27日にはマイナス2.9等星に達します。これは木星をも上回るほどの明るさで、ひと目見れば誰もが火星だと気づくでしょう。大きさの方も月初で22秒ほどあり、最接近時には25秒を超えるまで大きくなります。といっても、これは木星の半分強ほどの大きさしかありません。

 一度でも天体望遠鏡で木星をご覧になった方はおわかりかと思いますが、天体望遠鏡で見た木星の像は思ったよりも小さいものです。火星の場合、それよりもはるかに小さい像なので、天体望遠鏡で観測する場合には、いくつかの注意点があります。火星大接近観測ガイド(その2)や、火星の楽しみ方の中で解説していますので、初めて見られる方はそちらを参照してください。

星図

 8月5日、8月15日、8月25日、それぞれ22時の星図を掲載しておきますので、初めて火星を見られる方は参考にしてください。観測地は明石とありますが、日本国内であれば、見え方にさほど違いはありません。

 おおまかに言えば、「南東の空で赤く明るく光る星」があれば、それが火星と思って間違いありません。火星は日にちが経つにつれて、次第に早い時間から見えるようになってきます。

2003年8月5日22時の火星の位置

2003年8月15日22時の火星の位置

2003年8月25日22時の火星の位置

火星の観測データ

 下に火星のデータを掲げておきますので、観測時の参考にしてください。

日付 札幌 東京 大阪 福岡
時刻 高度(度) 時刻 高度(度) 時刻 高度(度) 時刻 高度(度)
南中 南中 南中 南中
21時 翌0時 21時 翌0時 21時 翌0時 21時 翌0時
8/2 20:37 1:51 7:02 3 28 20:31 1:57 7:20 5 34 20:47 2:14 7:38 2 33 21:05 2:35 8:00 -2 31
8/9 20:09 1:22 6:30 8 30 20:03 1:28 6:49 10 36 20:18 1:45 7:07 8 36 20:37 2:05 7:29 4 34
8/16 19:40 0:50 5:56 13 31 19:33 0:56 6:15 16 38 19:48 1:13 6:33 13 38 20:07 1:34 6:56 10 37
8/23 19:09 0:16 5:20 17 32 19:01 0:23 5:39 21 39 19:17 0:40 5:58 19 39 19:35 1:00 6:20 16 39
8/30 18:36 23:37 4:42 21 31 18:28 23:43 5:03 26 38 18:44 0:00 5:21 24 39 19:02 0:25 5:44 21 40

 

日付 赤経 赤緯 光度 視直径 距離 輝面比 21時の形 翌0時の形 翌3時の形
8/2 22h56m -13゜33' -2.2等 22.6秒 0.414AU 0.96
8/6 22h55m -13゜50' -2.3等 23.3秒 0.402AU 0.97
8/9 22h54m -14゜00' -2.3等 23.6秒 0.397AU 0.98
8/13 22h51m -14゜26' -2.5等 24.3秒 0.386AU 0.98
8/16 22h49m -14゜43' -2.5等 24.6秒 0.381AU 0.99
8/20 22h46m -15゜05' -2.6等 24.9秒 0.376AU 0.99
8/23 22h43m -15゜22' -2.6等 25.1秒 0.374AU 1.00
8/27 22h39m -15゜43' -2.7等 25.1秒 0.373AU 1.00
8/30 22h36m -15゜57' -2.7等 25.1秒 0.373AU 1.00

※上の表は「つるぷら」による略算です。多少の誤差を含む点をご了承ください。

「天文ソフト つるちゃんのプラネタリウム フリー版」では、火星の位置を表示したり、上の絵のような火星表面模様の概要をつかむことができます。ダウンロードして観測にお役立てください。

当ホームページからは、「つるちゃんのプラネタリウム for Javaアプレットの中にある
    万能プラネタリウム
    惑星の経路
    観測情報
  などからも、火星の位置や情報をシミュレーションすることができます。