小惑星ベスタが衝 2003年3月31日

 ベスタは4大小惑星のひとつで、セレス、パラスに次いで3番目に大きな小惑星です。それでもその直径は500Kmほどですから、ちょうど大阪−東京間程度の大きさしかありません。しかし、ベスタは数ある小惑星の中で最も明るくなる小惑星です。そして3月31日にはを迎え、5.9等星の明るさまで明るくなります。

 衝の頃の地球とベスタの位置関係は下の絵のようになっています。地球から見てちょうど太陽と反対側の方向に見えて、なおかつ地球に接近していることがおわかりいただけると思います。

地球とベスタの位置関係

 ベスタの明るさの5.9等星は、普通の視力の人が肉眼で見ることのできるギリギリの明るさです。目に自信のある方は一度ベスタが肉眼で見えるかどうか挑戦してみてください。幸いベスタは星数の少ないおとめ座付近にいますので都合がよいと思います。

 目に自信のない方でも、双眼鏡があればその位置をたやすく確認することができます。しかし、普通の恒星と同じように見えますので、案外とまどうかもしれません。このことは天体望遠鏡で見た場合も同じです。そんな時には、日数を置いて、再度観測してみましょう。惑星や小惑星は、日々その位置が変化していきますから、移動によってベスタに間違いないと確認できるわけです。

 下にはおとめ座付近でのベスタの移動経路をのせておきますので、観測時の参考にしてください。

ベスタの経路