金星が最大光輝 2004年7月15日

 6月8日に日面通過した金星は、その後夜明け前の東天へ移り、明けの明星として輝きます。
 7月に入ると日の出時刻における金星の高度は20度を越えてきて、次第に人目につきやすくなります。それと同時に明るさの方も増してきて、7月15日には最大光輝をむかえます。このときの金星の明るさはマイナス4.5等星ですから、普通の視力の人なら昼間でも金星を見つけることができるはずです。ホントかな? つるちゃんは視力の関係で無理ですが、一度お試しください。 

7月15日 日の出1時間30分前 東天のようす
最大光輝の頃、夜明け前の金星


 下の絵を見ると、金星は8月頃にかけて一気に高度を上げてくるのがわかります。

金星の高度変化
金星の位置変化


 金星は大きく満ち欠けをする惑星としても知られていますが、内合の前後の頃は形や大きさが大きく変化して見ごたえがあります。6月下旬から9月頃にかけて、適当な間隔を開けて天体望遠鏡で観測するとおもしろいと思います。金星が次に内合となるのは2006年1月のことですから、いつでも金星の形の変化を楽しむことができるわけではありません。

金星の満ち欠け
金星の満ち欠け


 金星は日々星座間を移動していますが、その間にさまざまな天体に接近します。中でも注目は7月上旬頃のヒアデス星団との接近でしょう。ヒアデス星団はおうし座の牡牛の顔の部分を形作る大きな星団ですが、金星がこの星団のごく近くを通過します。双眼鏡で見れば、まばゆいばかりの金星と宝石のようなヒアデス星団の星たちの輝きに、思わず見とれてしまうことでしょう。

 幸い、7月上旬頃の金星は動きがゆっくりとしているので、前後10日間くらいは両者の接近のようすを楽しむことができます。

金星の移動経路
金星の経路


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男: 双眼鏡で金星付近を見てごらん。
女: わー、金星と星団が接近してきれい〜。
男: これが僕から君へのプレゼントだよ。
女: すっ、すっ、素敵!

つる:えらい安上がりなプレゼントでええやん。
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つるちゃんのプラネタリウム 天体観測ガイド 2004年