火星の見え方−全般

なかなかの好条件

 今回の火星接近では、火星は地球に6941万Kmまで近づきます。その頃の火星の明るさは−2.3等で、大きさ(視直径)は20.2秒。超大接近となった前回の5576万Km、−2.9等、25.1秒にはおよびませんが、それでもなかなかな好条件といえます。

 明るさは最接近時で−2.3等ですから、「肉眼で誰でも簡単に見つけられる明るさ」ということができます。しかも独特の赤色に輝いていますので、見つけるのはたやすいでしょう。最接近の頃の火星は、夕方に東の空から昇り、真夜中に南中し、明け方に西の空へと沈みます。ですから、時間がわかれば火星のおおよその見える方角の見当はつきます。あくまでも最接近の頃という前提でのお話ですが・・。

 また、火星の見かけの大きさについてですが、視直径が10秒を超えてくると小望遠鏡でも表面模様が見え始めるといわけており、15秒を超えてくると小望遠鏡でも火星表面の模様を十分に楽しむことができます。最接近の頃の20秒台となると、木星の半分の大きさですから、かなり詳細な観測ができるでしょう。ただ、火星の模様は淡いものが多いので、少しの慣れが必要かもしれません。慣れないうちは大シュルティスなど、濃い模様が見えるタイミングを見計らって観測すると良いと思います。

 それから、火星には模様が濃い側と薄い側があります。模様が薄い側を見てみていても模様を観測するのは簡単ではありません。逆に、模様の濃い側を観測すれば、気軽に火星の模様を楽しむことができます。火星の見え方の各ページには、火星の見え方概略図を掲げておきましたので参考にしてください。

日付 明るさ 視直径
 8月13日 −0.7等 12.3”
20日 −0.8 13.0
27日 −1.0 13.7
 9月 3日 −1.1 14.4
10日 −1.2 15.2
17日 −1.4 16.1
24日 −1.5 17.0
10月 1日 −1.7 17.9
8日 −1.9 18.7
15日 −2.0 19.5
22日 −2.1 20.0
29日 −2.2 20.2
11月 5日 −2.3 20.0
12日 −2.2 19.5
19日 −2.0 18.7
26日 −1.8 17.7
12月 3日 −1.5 16.5
10日 −1.3 15.3
17日 −1.1 14.2
24日 −0.9 13.1
31日 −0.6 12.2

※上表は「つるプラ」による略算ですので、若干の誤差があるかもしれません。