月、火星、土星で西空がにぎやか。ベスタ食も　２００６年５月３１日

月、火星、土星が西空に集まる

　５月末頃から火星と土星は次第に接近していきます。下の絵は東京での日の入り１時間１０分後の西空のようすです。ふたご座のカストルとポルックスの左側には火星が見えますが、２００５年１０月３０日の中接近から７ヶ月が過ぎており、地球との距離もすっかり遠ざかり、明るさも１．７等とちょっとさえません。

　その左上には０．０等の土星が見えます。６月２日にかに座のプレセペ星団へ０．８度強まで接近するだけあって、両者はかなり接近した状態です。双眼鏡で眺めるときっと美しい眺めとなるでしょう。５月３０日から６月１日頃にかけてはここへ月も加わって、さらにぎやかになります。下の絵は５月３１日の場合ですが、火星と土星の間に月齢４．２の月が見えて、きっと美しい眺めとなることでしょう。

５月３１日　月、火星、土星が西空に集まる



月のようす

ベスタ食

　月、火星、土星が接近するだけでも楽しみなのですが、天体望遠鏡をお持ちの方にとってはさらに楽しみなことがあります。実はこの日は小惑星のベスタが月に隠されるという現象が見られます。ベスタの明るさは８．２等と肉眼ではとても無理ですが、天体望遠鏡を使えば観測することができます。食は東京の場合で２１時４５分から始まり、月の暗部から潜入します。ベスタの出現は高度が０．２度と極めて低空で、観測は非常に難しいでしょう。主な観測地点での情報をあげておきますので参考にしてください。