水星が東方最大離角 2006年6月21日

水星が今年一番の好条件

 水星は太陽系で最も内側の軌道をまわる惑星ですが、それだけに公転周期は88日と短く、太陽から最も離れる最大離角も年6回起こります。この中で地平線に対して垂直に離れ、最も観測条件がよくなるのがこの時期で、今年の場合は6月21日の東方最大離角が今年一番の見頃となります。

 日の入り時刻の水星の高度は東京の場合で18.5度ですが、日の入り直後は空が明るくて、とても水星を見ることなどできません。かといって空が完全に暗くなる20時49分だと水星の高度は−2.1度で、水星は沈んでしまっています。ですから、水星を見るにはどうしても薄明状態での観測となってしまいます。それだけに、双眼鏡があると心強い味方となってくれます。

 下の絵は東京での日の入り45分後のようすです。水星の高度は10度を切っていますので、西から北西の方角の視界が開けた場所を探しておくようにしましょう。この日の水星の明るさは0.8等ですが、水星は日が経つにつれて暗くなっていきます。逆に、21日よりも前にさかのぼるほど明るくなりますので、21日よりも前に見ておいた方が薄明の中で水星を探すのには有利です。

 水星は6月21日しか見れないわけではなく前後数日間は観測の好条件が続きますので、梅雨の時期ではありますが、あきらめずに挑戦したいところです。

6月21日 日の入り45分後の西空のようす
6月21日 水星が東方最大離角


日の入り時刻における水星の位置変化